2015年10月から建て替え工事を行っていた「ホテルオークラ東京」が、19年9月上旬に開業する。既に海外で運営している「プレステージ」ブランドを41階建ての「プレステージタワー」(旧本館)として、新規の「ヘリテージ」ブランドを17階建ての「ヘリテージウイング」(旧別館)として導入する。客室は2棟で全508室で、宿泊料金は「プレステージタワー」が5万円前後、「ヘリテージウイング」が約7万円を予定している。
“日本の美”をコンセプトにした「ヘリテージウイング」は6~17階を客室フロアで構成する。和のアクセントを取り込んだコンテンポラリー・ラグジュアリーホテルを目指す「プレステージタワー」は8~25階がオフィスフロア、27階がフィットネスフロア、28~40階が客室フロアとなる。本館改装の際に、多くの取り壊し反対の声が上がったメーンロビーは、設計者・谷口吉郎の長男でギンザ シックス(GINZA SIX)、ニューヨーク現代美術館などを手掛けた谷口吉生の設計のもと、旧本館仕様で復元した。照明具など旧本館の装飾品を再利用する。
荻田敏宏ホテルオークラ社長は「伝統と革新、旧本館を引き継ぐ伝統美を継承し、施設には最新の設備、次世代を担う考え方を導入した。開業後は海外の要人を含め、さまざまな賓客をお迎えする、世界でもトップホテルと称されるようなホテルになるよう努力をしていく」と語った。
ホテルオークラ東京は1962年に開業。11年の東日本大震災を受け、耐震・制震性の向上のために建て替えを決定した。本館は15年8月末に閉館し、同年10月から改装工事を行っている。改装で新たに創設した「ヘリテージ」ブランドは今後、ニューヨークやロンドン、パリ、シンガポールなどの海外への進出も視野にいれているという。