阪急うめだ本店は、化粧品の新しい売り場「阪急ビューティースタジオ(HANKYU BEAUTY STUDIO)」を同店の近くに8月オープンする。阪急うめだ本店2階の化粧品売り場をコンパクトにしたサテライト型の売り場で、面積は約330平方メートル。短時間のライトカウンセリングを通じて、百貨店が取り込めていなかった10代後半から20代の新しい顧客の獲得を目指す。
出店立地は、同店から100mほどの距離にある商業施設「阪急三番街」の南館1階で、3月まで営業していた雑貨店の「プラザ(PLAZA)」跡地。阪急梅田駅やタクシーやバス乗り場の動線上に立地しており、終日多くの人が行き交う。ブランドの品ぞろえなど詳細は明らかになっていないが、阪急うめだ本店で展開するブランドとサービスに気軽に触れられる場所を作る。
阪急うめだ本店の化粧品は、メーンの2階以外にも3階、6階、10階に売り場が設けられている。また3月には隣接する阪急グランドビル19階に施術を中心にした「阪急ビューティーサロン(HANKYU BEAUTY SALON)」をオープンし、エステサロンやヘアサロンなどのサービスを提供している。同店の18年3月期の化粧品関連の売上高は、前期比24%増の約280億円だった。
それだけの規模でありながらも、昨今のインバウンド(訪日客)を含めた化粧品需要の急拡大に受け皿が追いついていなかった。また、売り場が混雑する中で、じっくりカウンセリングを受けたい客と短時間で済ませたい客の両方の満足度を高めることも課題として浮上していた。
グループ会社ではセミセルフ型の化粧品業態「フルーツギャザリング(FRUIT GATHERING)」を都市型ショッピングセンターなどに出店しているが、阪急阪神百貨店の荒木直也・社長は「阪急うめだ本店の化粧品売り場とフルーツギャザリングの中間のポジションを狙いたい」としている。