ビジネス

ナイキが周辺エリアの購買データから品ぞろえを“ライブ”で変えていく新ストアをオープン

 ナイキ(NIKE)のマーク・パーカー(Mark Parker)会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)は、ロサンゼルスで新コンセプトストア“ナイキ ライブ(NIKE LIVE)”をオープンすると明らかにした。同コンセプトストアは、ストア周辺エリアの購買データによって商品の品ぞろえを“ライブ”で変えていくデータベースの小型ストアで、「大きな可能性を秘めている。他の主要都市でもスタートする予定だ」とパーカー会長兼社長兼CEOは期待を語った。

 新コンセプトストアと同時に発表されたナイキの2018年5月期決算は、売上高が前期比5.9%増の363億9700万ドル(約3兆9672億円)、純利益は米税制改革の影響を受け同54.4%減の19億3300万ドル(約2106億円)で増収減益だった。

 18年3〜5月期は、売上高が同12.8%増の97億8900万ドル(約1兆670億円)、純利益は同12.8%増の11億3700万ドル(約1239億円)だった。成長鈍化傾向にあった北米市場の売上高は前年同期比2.7%増と回復し、約100億ドル(約1兆900億円)規模のスポーツウエアのカテゴリーは2ケタ増、デジタルカテゴリーでは同41%増と、特にパフォーマンスカテゴリーとデジタル面で勢いを見せた。

 ナイキはイノベーション、DtoC(ダイレクト トゥ コンシューマー)ビジネス、スピードの3つを軸に事業戦略を進めているが、2017年11月に会員プログラム「ナイキプラス(NikePlus)」を再開し、質の高い顧客データをより効率的に収集できるようになった他、スニーカーショップのフットロッカー(FOOT LOCKER)の従業員の一部をナイキのエキスパートとして訓練し、顧客のショッピング体験の質を向上させたなど成果を発表した。

 ナイキは20年に売上高を500億ドル(約5兆4500億円)に引き上げると15年時点で発表していたが、このままの成長率が続けば20年には410億ドル(約4兆4690億円)となる見込みだ。

 またナイキは、現在進めている120億ドル(約1兆3000億円)の自社株式買い戻し完了後の19年5月から4年間で、さらに150億ドル(約1兆6300億円)の自社株式を買い戻すことも発表。これを受けて株価は通常取引終了後の時間外取引で約9%上昇した。

NIKE x ビジネスの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。