婦人服専門店のハニーズホールディングスは29日、中国からの撤退を発表した。同社は過去4年にわたって中国の不採算店舗の閉鎖を進めており、ピークの2013年に589あった店舗を今年5月末時点で179に減らしていた。だが、好転の見通しが立たず、黒字転換は困難と判断し、9月末をめどに運営する全店舗を閉じる。18年5月期の連結決算で事業整理に伴う特別損失約10億円を計上する見通し。
同社は06年に中国法人を設立し、百貨店やショッピングセンターに店舗網を拡大してきた。出店スピードだけでなく、出店エリアも広範囲におよび、上海や北京のような大都市だけでなく、重慶、成都、西安、ウルムチなど日本の小売業がほとんど進出していないような内陸部にも出店を重ねた。
だが、この5年ほどの中国市場は国内外のSPA(製造小売り)との競争激化、ECの台頭、テナント家賃の上昇、そして消費者の成熟化など、環境が劇的に変化した。同社はそこに対応できず、大量出店が裏目に出て、不採算店舗が重くのしかかることになった。昨年は約200店舗を閉じる荒療治を行なったが、それでも黒字化の見通しが立たず、今回の決断に至った。