アダストリアの2018年3~5月期連結決算は、売上高が前年同期比4.9%減の513億円、本業のもうけを示す営業利益が同66.6%減の12億円、経常利益が同65.1%減の13億円だった。ライフスタイル業態「ニコアンド(NIKO AND...)」は好調だったが、他ブランドは「4月中旬から投入した夏物の動きが低調で、5月も一時的な天候悪化の影響を受けた」ために4、5月が苦戦。消化促進のために値引き販売が拡大し、粗利益率は57.4%と2.0ポイント悪化した。
ブランド別の売上高は、「ニコアンド」が同12.3%増の73億円、「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が同9.8%減の93億円、「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」が同1.3%減の53億円、「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」が同19.1%減の53億円、「レプシィム(LEPSIM)」が同7.9%減の34億円、「ジーナシス(JEANASIS)」が同8.1%減の27億円、「ベイフロー(BAYFLOW)」が同2.2%減の19億円、「レイジブルー(RAGEBLUE)」が同14.2%減の18億円だった。アダストリア単体の月別全店売上高は、3月が前年同月比6.5%増、4月が同8.7%減、5月が13.1%減だった。
業績改善を目指し、商品力強化のためにプレスルームを渋谷ヒカリエの本部オフィス内に移設した。これにより、サンプルや販売計画の検証をより精密に行う。また、3月から稼働している新基幹システムにより、店頭からの情報収集を強め、企画に生かす。17年9月にスタートした支店制度をブラッシュアップし、本部と店舗との連携向上にも努める。
苦戦する国内事業に対し、海外の売上高は同44.9%増の38億円となった。特に17年秋に「ニコアンド」が進出した台湾がけん引している。前年の売上高を割り込んでいる香港、中国では不採算店の整理などを推進中だ。
なお、これまで単体のアダストリアで運営していた「バンヤードストーム(BARNYARDSTORM)」「バビロン(BABYLONE)」の2ブランドは、3月1日付けで連結子会社のエレメントルールに移管した。エレメントルールはセレクト業態の「カオス(CHAOS)」「カレンソロジー(CURENSOLOGY)」を手掛けている。ターゲット層の近い4ブランドを集約することでシナジーを生むとともに、買いやすい価格のカジュアルが中心のアダストリアとの差別化を目指す。