百貨店大手5社の6月度の売上高(既存店ベース)は、2カ月ぶりに全社がプラスになった。三越伊勢丹が前年同月比12.1%増、高島屋が同4.7%増、大丸松坂屋百貨店が同5.2%増、そごう・西武が同4.9%増、阪急阪神百貨店が同5.8%増だった。各社の伸び率が高いのは、夏のクリアランスセールが多くの店舗で昨年に比べて1日早い29日に開始されたためだ。特に三越伊勢丹は2012年から7月中旬だったセール開始を他社と同じ29日にしたことで、当月の売り上げが跳ね上がった。
高島屋、大丸松坂屋、そごう・西武など昨年よりもセールが1日早い企業は、1〜2%の押し上げ効果があったという。しかしその効果を除いても、都市部を中心とした店舗は、引き続きインバウンド(訪日客)と富裕層の活発な消費に支えられて好調だ。免税売上高は各社とも40%以上の伸び率を維持している。ラグジュアリー・ブランドや宝飾・時計も2ケタ増を記録する店舗が多い。
関西では6月18日の大阪北部地震で多くの店舗が当日の休業を余儀なくされた。「その後の1週間は消費マインドが低下し、関西各店の1カ月の売上高を約4%押し下げる影響が出た」(阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オー リテイリング )というものの、セール開始が7月4日の阪急本店(阪急うめだ本店)が同4.1%増、6月1日に1期棟を開業した阪神梅田本店は売り場面積縮小にもかかわらずオープン景気で同13.5%増だった。高島屋大阪店は同6.5%増、大丸心斎橋店も同12.3%増と高止まりしている。