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YKKが日本の製販体制を統合 ファスナーの“止まらない24時間連続稼働工場”も視野

 YKKは日本市場に向けた製造と販売と体制を統合する。100%子会社で販社のYKKファスニングプロダクツ販売を7月1日付で本体に吸収した上で、ファスナー製造部門を統合したジャパンカンパニーを設立する。今後はロボットなど導入した最新鋭の製造ラインの構築など新たな設備投資も実施する。ジャパンカンパニーのプレジデントに就任した白川善浩YKKグループ執行役員は、「28年ぶりに海外赴任を終えて日本に戻ってきた。組織再編により、小ロット多品種に対応した生産ラインを構築した上で、世界最先端の“黒部モデル”の製造体制と商品を作り上げたい」と意気込む。

 YKKは海外72カ国/地域に拠点を持ち、特にファスナー事業では大半を海外の売り上げが占め、本社のある富山県黒部市の黒部工場ではファスナーの生産だけでなく、製造装置そのものも開発・生産し、世界中の自社工場に供給する役割を担ってきた。YKKのファスニング事業全体を統括する松嶋耕一YKK副社長は「日本でのアパレル生産が縮小する中で、足元の日本市場向けのファスナー生産に対する投資が進んでいなかった。今後は黒部発、日本向けオリジナルの商品開発に取り組む」という。黒部工場では、ロボットの導入や新たな製造機械の開発などで24時間ラインの止まらない“24時間稼働モデル工場”にも取り組む。“24時間稼働モデル工場”の完成の時期は「難事業で時期を区切るのは難しい」と明言しなかったものの、17年度からスタートした4カ年の中期経営計画中にはメドを付けたい考え。

 新たに設立されたジャパンカンパニーの年商は約800億円で、今後3年間で売り上げを15%引き上げる方針だ。

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