オンワードホールディングス(HD)とストライプインターナショナルは、ファッション分野における次世代ビジネスモデルの共同開発を目指し、戦略的パートナーシップを結んだ。まずは9月上旬に、両社のECモール「オンワード・クローゼット」「ストライプデパートメント」に、双方の基幹ブランドを相互出店する。その後は実店舗でのコラボレーション、共同マーチャンダイジングの推進も目指す。小売りのあり方を変える新規テクノロジーが次々と生まれ、ECや二次流通の拡大で業界構造が激変する中で、2社が知見を出し合うことでアパレルメーカーとしての次の一手を探る。
オンワードHDは30代後半~40代女性向けの百貨店販路のブランドが主力、ストライプインターナショナルは20~30代女性が中心対象のショッピングセンター販路のブランドが主力。「それぞれが強みとする販路、対象でこれまで培ってきたものを出し合い、シナジーにつなげる」(オンワードHD広報)ことが狙い。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの新テクノロジーを共同利用し、オムニチャネル時代に適応した新ビジネスモデルの開発を進める。ストライプインターナショナルにとっては、「モノ作りに強みがあるオンワードHDのグローバルな企画生産プラットフォームの活用」(ストライプインターナショナル広報)というメリットもある。
オンワードHDからは「23区」「自由区」「組曲」が、ストライプインターナショナルからは「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY)」「アメリカン ホリック(AMERICAN HOLIC)」「コエ(KOE)」が相互出店する。両社の顧客データ等を活用しながら、オンラインで共同販促を仕掛ける。
今後目指すという実店舗でのコラボレーションと共同マーチャンダイジングについては、まだ具体的に決まっていることはないという。将来的にはジョイントベンチャーの構築なども視野に入れる。
1月に保元道宣オンワードHD社長、石川康晴ストライプインターナショナル社長がともにアジア地域の小売り関連の最先端テクノロジーに関する視察ツアーに参加し、そこから情報交換に発展、戦略的パートナーシップに至ったという。