結婚式関連事業を行うテイクアンドギヴ・ニーズは、ホテル事業の拡大に乗り出す。4日に開かれた会見で野尻佳孝・会長は「新ブランドを10年で10軒開業する。売上高300億~400億円を目指す」と語った。野尻会長は4月1日付で15年ぶりに不動産開発部長を兼任、ホテル事業の陣頭指揮を執っている。
同社傘下のトランクは2017年に渋谷に「トランクホテル(TRUNK HOTEL)」をオープンしており、稼働率は91%(18年4月)、平均客室単価は約5万7000円(同)だ。現在は渋谷に1軒のみを運営するが、同じく10年以内に都内限定で10軒をオープンする計画。「『トランクホテル』は引き続きクリエイティブ層に向け出店し、新ブランド(テイクアンドギヴ・ニーズ運営のホテル)は主要都市のメーンエリアに開業する」と違いを述べた。
日本政府観光局によると、17年の訪日外国人は2869万人。安倍晋三・首相が議長を務める「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」は20年に4000万人、30年に6000万人を目標に掲げる。テイクアンドギヴ・ニーズのホテル事業は、増え続ける訪日外国人をターゲットにしたもので、野尻会長は「個人的に、30年の訪日外国人は6000万人を超えると見込む。世界の人口の5人に1人が国外旅行を楽しむ時代がそこまで来ている」とコメントした。
テイクアンドギヴ・ニーズの18年3月期連結売上高は645億円、営業利益は27億円だった。ホテル事業を新たな柱に、グループ全体で27年の売上高1000億円を目指す。