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連載 韓国ファッションの今

“女子大生社長”椎木里佳に聞く、なぜ今韓国カルチャーがビジネスになるのか

 “女子大生社長”として知られる椎木里佳が社長を務めるAMFが3日、EC事業を手掛ける韓国のGlam Commerceと共同で、韓国・東大門市場のファッション、コスメ商材を活用したインフルエンサーによる販売チャネル「kloset」をローンチした。参画するインフルエンサーが自身でデータベースから商品を選び、EC上で簡単に販売することができる。東大門で買い付けた商品を国内で販売するインフルエンサーやEC業社は多いが、プラットフォームとしてサービスを作ったのは新しい。同サービスが目指す先について、椎木里佳・社長に聞いた。

WWD:新サービスの詳細について教えてください。

椎木里佳・社長(以下、椎木):簡単に言えば、在庫を持たないドロップシッピング型のアパレルECサイトです。インフルエンサーがデータベースから売りたい商品を選んで、在庫を抱えることなく国内に販売できます。

WWD:ビジネスモデルは?

椎木:韓国での在庫手配などをGlam Commerceという企業と組んでいるのですが、当社とGlam Commerce、インフルエンサーの3者で売り上げの利益分配をする形です。細かい取り分などは非公開ですが、インフルエンサーさんの比率はかなり高い方だと思います。

WWD:在庫はどのように手配するのでしょうか。

椎木:Glam Commerceが作ったデータベースにインフルエンサーがログインするようなイメージです。売りたい商品を選んだら自動的に韓国にデータが転送されて、Glam Commerceが東大門市場の卸業者に在庫の確認をします。そうして、翌日までにはどのくらいの在庫を用意できるか返答が来るようになっています。その後、在庫は卸業者においたまま、サンプルだけがインフルエンサーのもとに届くので、それを使って自由にSNS投稿や宣伝をしてもらい、欲しいと思ったファンにはECサイトで購入をしてもらう、という流れです。売れた商品は注文から3〜4日で韓国から直送するので、当社もインフルエンサーも在庫を抱えることはありません。全員がハッピーになれるビジネスモデルです。

WWD:場合によっては在庫を確保できないこともありますか?

椎木:卸業者はいろんな業者に販売をしているので、インフルエンサーがセレクトした時点で在庫を確保できないことはありますね。ですので、ある程度多めにセレクトをしてもらっています。コスメは1週間くらいで再生産されたりするので、在庫切れを起こすことがあまりありません。

WWD:コスメもそうですが、在庫を回し続ける東大門市場は本当に独特の市場ですよね。

椎木:実際に見て、めちゃくちゃ面白いと思いました。そもそも問屋さんがあれだけのパワーを持っているのが新鮮で、市場でも工場が直接バイヤーに対して接客しているのは、日本では想像できないですよね。

WWD:取り扱うブランドはどういったものですか。

椎木:アパレル商材は工場から卸すので、ブランド数はわからないのですが、現状は3000ほどの商品数をデータベースに登録しています。商品は毎週随時、韓国側で更新されます。コスメは20ブランド、100SKUくらいですね。基本的には国内に正規販売代理店がなくて、ここでしか買えないようなブランドをメーンに取り入れています。

WWD:参加するインフルエンサーはどのように決めているのですか?

椎木:現状まだ5人くらいなんですが、最終的には50人くらいまで増やしたいと思っています。対象としては17歳以上で、上は25〜26歳くらいまで。韓国ファッションに興味がありそうな人だったり、自分が推したい人に直接お声かけをしています。当社としては日本でのインフルエンサーのアテンドが主な仕事になっていますね。

WWD:今後の計画は?

椎木:今日本で第3次韓国ブームが来ているので、まずは日韓のビジネス基盤を整えることが目標ですが、今後は同じ仕組みを日本から台湾やタイといった韓国以外の国へ応用していくことができるんじゃないかと考えています。その際にも、仕組みとしてGlam Commerceに協力をしてもらいたいと思っています。

WWD:リアルでの展開は考えていますか。

椎木:常設店を持つのは今っぽくないので、ポップアップなどはありかなと思っています。ポップアップをやるにしても、店頭にはサンプルだけを置いて、ECで決済、自宅配送という仕組みがいいかなと思います。中高生なんかは両親からのお小遣いで買い物をしていることが多いので、親から「試着してないものを買っちゃダメ」って言われたりするらしくって(笑)。そういった方のためにも試着の場があるといいなとは思います。

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