イタリア皮革製品協同組合(以下、AIMPES)は7月2日、「ミペル・テーラーメード(MIPEL TAILOR MADE)」を東京で初開催した。同イベントは、年2回イタリアで開催されているバッグ、皮革小物の国際見本市「ミペル」から派生したもので、日本のバイヤーのテイストに合った34ブランドの参加を誘致し、約200人が来場した。
韓国ではすでに同様のイベントを実施しており、今年10月で5回目の開催になる。毎年バイヤー数・出展数共に増加し軌道に乗ったことを受けて、日本での開催に至った。また、3年前に就任したダニー・ダレッサンドロ(Danny D'Alessandro)AIMPES最高経営責任者(CEO)は、「『ミペル』の特色が薄れつつある。これまで改革をなおざりにしてきたが変わらなければ廃れていく一方だと感じた。今回のイベントは改革の一環だ」と危機感を募らせる。
「ミペル・テーラーメード」では、AIMPESが引き合わせた伝統的なブランドと若手ブランドがカプセルコレクションを発表した他、来場者向けのトレンド分析セミナーを企画。さらにブランドが一般消費者の声を直接聞く機会を創出するためにポップアップを開催するなど、従来の見本市にはなかった新たな策を試みた。
この一環で、今年はアッシュ・ペー・フランス(H.P. FRANCE)の湯沢由貴子バイヤーが「ミペル」の出店ブランドの中から7ブランドを厳選し、「コンセント パリ アッシュ・ペー・フランス(CONCENTO PARIS H.P.FRANCE)」東急プラザ銀座店のプロモーションスペースで9日まで一般消費者向けに展示と人気投票を行っている。セレクトを担当した湯沢バイヤーは、「どこにもない新しいモノ、アーティザナル(職人的)というよりはコンテンポラリーなブランドをあえて選んだ」と説明。人気投票で1位になったブランドの2019年春夏シーズンのアイテムを買い付けるという。
ダレッサンドロCEOは「バイヤーの声を反映してイベントの方向性を決めていく。長期的に発展させるためには継続することが重要だ」と、継続開催に意欲を見せる。また、「『ミペル・テーラーメード』に来れば、求めているものが見つかると思ってもらえるようなプラットフォームを提供していきたい」と今後の展望を語った。
「ミペル」はイタリアで開催されるバッグや皮革小物の大型見本市。次回は9月16~19日に開催し、300社以上が出展予定。1万人の来場者を見込んでいる。