ファッション
連載 NYコレクション

カニエとリアーナに見る、ファッションショーのあり方

 メンズ・コレクションが終了し、いよいよウィメンズの2016-17年秋冬のニューヨーク・ファッション・ウイークがスタートしました。2月11日の初日と2日目で話題をさらったのは、カニエ・ウエストとリアーナ。アーティストとファッションが密接に結び付いているのは、いかにもエンターテインメントの街、ニューヨークらしいです。

 カニエに至っては、自身のコレクション第3弾となる「イージー シーズン3(YEEZY SEASON3)」をコンサートやバスケットなどのスポーツ試合に使用されるマディソン・スクエア・ガーデンで開催。一般客も招待し、最新アルバム「SWISH」をガンガンに流し、コレクションのみならず、曲もプロモーションしちゃうところは抜け目ないです(笑)。通常ショーは15分、短ければ10分で終わるものですが、ステージとその周辺に1000人のエキストラとモデルを配し、2時間近くパフォーマンスを繰り広げたカニエ。ニューヨークでは特に、ショーのチケットを一般客に販売するかどうかの議論がなされているところで、すでにいくつかのショーで販売を開始しています。人気のブランドにおいては、10万円以上、さらには40万円近くまで跳ね上がるショーもあるとか!また、バックステージまで見に行けるとか、デザイナーに会えるオプションセットもあったりするそうです。

 一方、リアーナは、「プーマ(PUMA)」との新ブランド「フェンティ プーマ バイ リアーナ(FENTY PUMA BY RIHANNA)」を初披露。彼女は2015年から「プーマ」のウィメンズのクリエイティブ・ディレクターを務めており、シューズを発表していましたが、新ブランドとしてウエア、シューズ、アクセサリーのフルラインアップをショー形式で発表する気合いの入れようでした。

 モデルが登場すると、ウエアには日本語で「コレクション」や「秋の冬」(←秋冬コレクションのこと?)、「洗濯洗い可」といった文字が躍っています。背中には日の丸的な赤い丸がデザインされていたりして、日本人からするとちょっとした“ヤンキー感”を感じさせますが(笑)、コレクション自体は、手がすっぽり覆ってしまうような袖の長いウエアや厚底のシューズ、男女どちらでも着用できるスタイルといったトレンドが満載です。とはいっても女の子のモデルは後ろを見るとお尻が4分の1しか隠れていなかったり、胸が大きく開いているトップスもあったり、ノージェンダーといえどもバストとヒップは強調したいようです(笑)。

 そういったトレンドをキャッチする嗅覚は、自分が何よりもファッションが好きでいろんなファッションにトライしているからかもしれません。そしてこれらのコレクションをSNSや動画で見たファンやファッションキッズは、“すぐに欲しい”と思うことでしょう。これまでは、ショーを開催してから半年後にならないと実際に店頭に並びませんでしたが、そのファッションシステムを変えようという動きが盛んになっており、コレクション期間中にもブランドが続々とそのような新しい動きを発表しています。今シーズンは、ショーのあり方と、ショーの開催時期についていろいろ考えさせられるシーズンになりそうです。

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