イタリア・ミラノを拠点に活躍するジュエリーデザイナーのリア・ディ・グレゴリオ(Lia Di Gregorio)がアッシュ・ぺー・フランス ビジュー(H.P. FRANCE BIJOUX以下、アッシュ・ぺー)の丸の内店と大阪店でトランクショーを開催した。彼女はミラノでメタルアートを学んだ後1990年代に自身の名前を冠するジュエリー・ブランドをスタート。ブランド設立当時から、あえて内側にパールを付けたリングやバングル、知恵の輪のようなブレスレット兼リングなどをデザインするコンセプチュアル・ジュエリーの先駆者的存在だ。アッシュ・ぺーはもとより、ドーバー ストリート マーケット ロンドン(DOVER STREET MARKET LONDON)やパリのホワイトバード(WHITE BIRD)など、世界の感度の高いショップで販売されている。彼女にクリエイションのインスピレーションやジュエリー作りについて聞いた。
WWD:ジュエリーデザイナーになったのはいつ?
リア・ディ・グレゴリオ(以下、グレゴリオ):高校卒業後にフィレンツェの金細工工房で修業して少しずつジュエリーを作り始めた。約10年が過ぎたころ、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)のバイヤーが買い付けたのがきっかけで自分のブランドを立ち上げた。
WWD:デザインのインスピレーションはどこから?
グレゴリオ:抽象的なものからアイデアを得ることが多い。もちろん、見に行った展示会や自然などからインスピレーションを得ることもある。
WWD:自身のジュエリーのコンセプトは?
グレゴリオ:抽象的なモチーフに動きを加えたり、音が出るようにデザインしたり、着けて発見するジュエリーだと思う。クラシカルなテクニックを使用し、コンテンポラリーに仕上げている。アトリエで金細工の職人が一つ一つ手仕事で作るメード・イン・ミラノのジュエリーだ。
WWD:パールを内側に付けるという斬新な発想はどこから?最近ではこのようなコンセプチュアルなジュエリーをよく見るが、あなたは約20年前にデザインしたそうだが?
グレゴリオ:パールというとオールドファッションな印象だが、それをコンテンポラリーに表現しようと思い、考え付いた。このシリーズは定番として継続して制作している。
WWD:使用素材はゴールドとパールのみか?
グレゴリオ:18金のイエローゴールドを使用することがほとんど。18金がジュエリーには最も適しているから。ルビーやサファイヤを使用することもあるが色石を使用するケースは少ない。
WWD:クリエイションの過程は?
グレゴリオ:スケッチから初めて、紙やワイヤーを使ってサンプルを試作する。いいアイデアが浮かんでもそれを形にできるいい職人が少ないのが問題。
WWD:ジュエリーとはどのような存在だと思うか?
グレゴリオ:女性の自己表現の一部。本物のジュエリーを着けることで自信がつくはずだ。