ベネトン ファッション グループ(BENETTON FASHION GROUP以下、ベネトン)の創業者の1人、カルロ・ベネトン(Carlo Benetton)が7月10日、イタリアのトレヴィーゾでがんのために死去した。74歳だった。カルロはベネトン家の末子で、兄のルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)、ジルベルト・ベネトン(Gilberto Benetton)、姉のジュリアナ・ベネトン(Giuliana Benetton)らと共に1965年に同グループを創業した。カルロは主にグループの生産管理やディストリビューション戦略を統括し、80〜90年代に一大グループを築いた。2013年に引退し、15年に同グループはイタリア証券取引所における上場を廃止した。葬儀はトレヴィーゾの大聖堂で7月13日の10時(現地時間)に執り行われる。カルロには4人の子どもがいた。
カルロは、ベネトン家の持ち株会社エディツィオーネ・ホールディング(EDIZIONE HOLDING)が所有する会社でローマ郊外のラツィオを拠点にする農企業のテヌーテ マッカレーゼ(TENUTE MACCARESE)の社長でもあった。エディツィオーネ・ホールディングはインフラや自動車、飲食、衣類、不動産、農業などの産業分野に投資しているイタリアで最も巨大なグループの1つで、カルロは同社の取締役員も務めていた。
カルロとその息子のアンドレア・ベネトン(Andrea Benetton)は05年に乳製品メーカーのチリオ アグリコーラ(CIRIO AGRICOLA)を傘下に収めたが、チリオ アグリコラのパオロ・グレンディーネ(Paolo Grendene)最高経営責任者は「がんと闘いながらもそのそぶりを見せず、買収した企業の再編成に力を入れていた。特にここ数カ月は、かつてブルボン家が所有し、現在はチリオ アグリコーラが所有しているイタリア・カゼルタにあるキジ飼育施設の建物の修復に当たっていた」と語る。
現在83歳になるルチアーノ・ベネトンは、12年に4月に引退し、息子のアレッサンドロ・ベネトン(Alessandro Benetton)が事業を引き継いだが、18年1月にエグゼクティブ・プレジデントとして同社に戻り、業績回復に努めている。また、1980年代に社会問題を扱う広告としてベネトンを打ち出したフォトグラファー、オリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)もブランド力回復のために再度タッグを組むとしている。