「ディオール(DIOR)」は、2018-19年秋冬コレクションのキャンペーンビジュアルを公開した。同ビジュアルは、1961年のフランス映画「女は女である(Une femme est une femme)」を着想源にしたもので、ビジュアルの字幕は同映画の台詞から引用している。
18-19年秋冬コレクションは60年代のユースカルチャーをインスピレーション源にしているが、この映画も60年代のフランスにおける新しい映画の潮流、ヌーヴェル・バーグを代表する映画監督、ジャン・リュック・ゴダール(Jean Luc Godard)によって製作されたものだ。
マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターは、「映画の台詞は広告ビジュアルに別の視点を与えてくれるだけでなく、見る人も想像しやすい。ビジュアルで見せたかったのは強く、エンパワメントされた今の時代の女性。彼女たちは自信を持って自己表現する。素晴らしい世代だと思う。昔のファッション業界は自分たちのスタイルを押しつけてきたが、それは大きな間違いだった。ファッションは顧客との対話でなければいけない。コレクションでも、広告キャンペーンでも、新メディアでも対話は重要だ」と語る。
キウリが特に引用したのは、アンナ・カリーナ(Anna Karina)が演じたヒロイン、アンジェラ(Angela)の台詞だ。“I’m not trying to please anybody(誰かを喜ばせようとしてるわけじゃない)”などの彼女の台詞を、ブランドのミューズでもあるモデル、ラス・ベル(Ruth Bell)らが語っているように表現している。なお、撮影は英フォトグラファーのパメラ・ハンソン(Pamela Hanson)が担当した。