「ティファニー(TIFFANY & CO.)」は、体験型の新コンセプトストア“スタイル スタジオ(Style Studio)”をロンドンのコヴェントガーデンにオープンした。コヴェントガーデンは近年バーやレストラン、ファッションブランド、ビューティブランドが数多く出店し、盛り上がりを見せているエリアだ。モノよりコト重視の若い世代に訴えかける店作りで、1年間だけ実験的に設置する。
ブランド初の試みとなる同ストアの広さは約200平方メートル。最新フレグランスを売る自動販売機や、ジュエリーの刻印やレザーの型押しサービスも提供する。顧客は自身がスクリーン上で描いたデザインやモノグラムがペンダントなどに刻印されていく様子をチェックできる。さらに、スタッフの服装も自由だ。黒を着なくてはいけないというルールはあるものの、フォーマルである必要もなく、スニーカーを履いてもよいという。また、ジュエリーについても好きなものを着用できる。
天窓から光がさし込む店内奥のスペースは、ブルーのレザーで彩られたキューブ型の椅子があちらこちらに置かれ、壁に設置されたスクリーンでは女優のエル・ファニング(Elle Fanning)を起用したキャンペーンムービーが映し出されている。壁は“T”のモノグラムが施されたものや、中には“TIFFANY & CO.”のネオン文字が光る“ティファニーブルー”に塗られた壁もある。このスペースでは今後、外部クライアントのイベントや展覧会、パーティーなどを催し、現時点ですでにクリスマスまでイベントの予定が埋まっているという。「ティファニー」は国際アート基金のアウトセット(OUTSET)と3年間にわたって提携しており、若手アーティストにスタジオスペースを無料で提供しているが、このスペースでもアーティストの作品を展示していく。
店内の柱には「#MAKE IT MY TIFFANY」 「#MAKE IT HERS」「#MAKE IT YOURS」「#MAKE IT WOW」といった言葉が書かれており、同プロジェクトでパーソナライゼーションをいかに重視しているかがうかがえる。
商品は、“ティファニー T(Tiffany T)”“ハードウェア(HardWear)”“1837”“リターン トゥ ティファニー(Return to Tiffany)”などのジュエリーコレクションをそろえ、顧客はどのコレクションも好きにミックスできるという。ギフトとスモールレザーグッズは、ドッグアクセサリーや食器コレクションなどをそろえる。
バラット・ウェスト(Barratt West)=イギリス・アイルランド地域バイス・プレジデント兼マネジング・ディレクターは、店内を案内しながら「新しいタイプのラグジュアリーが台頭してきたのを目の当たりにしているが、私たちはその最前線に立ちたいと考えている。『ティファニー』はそのナチュラルなウィットとエネルギーで、このトレンドに参入するつもりだ。このストアは、楽しんだり商品を探したり、遊び心あふれるインタラクティブな場所だ。今の顧客は自分のスタイルを見せたり、自分だけのものを作ることが好きだ。その傾向はますます強まっている」と語る。同ストアは20時までオープンし、仕事帰りの顧客や旅行者も取り込む。