“Heritage meets modern”をコンセプトに掲げる「リーバイス メイド アンド クラフテッド(LEVI'S MADE & CRAFTED)」は、小木“POGGY”基史「ユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)」ディレクターとコラボレーションしたカプセルコレクションを7月26日に全世界で発売する。「リーバイス」の直営店とユナイテッドアローズの店舗、両社のECサイトで販売する他、卸もする。小木ディレクターに全9アイテムへの思いを聞いた。
WWD:「リーバイス」とのコラボレーションは初?
小木“POGGY”基史(以下、小木):はい。そもそもデニムブランドと一緒に、モノ作りを行うのが初めてです。僕が生まれて初めてファッションを意識して買ったジーンズは「リーバイス」でした。札幌で、高校1年生の時でした。あれから25年、こうして一緒にお仕事させていただくことを心から光栄に思います。
WWD:小木さんにとってのファースト「リーバイス」は?
小木:定番の“501”ではなく、“510”というスリムフィットの当時、足長ジーンズと呼ばれていたモデルでした。
WWD:今回のコラボレーションは、小木“POGGY”基史個人として受けているもの?
小木:はい。もちろんユナイテッドアローズのサポートを得ていますが、そのためPOGGYTHEMANという屋号を使っています。
WWD:コラボアイテムを製作するうえで、まず何をした?
小木:サンフランシスコにあるリーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS)本社を訪れ、アーカイブルームで貴重な資料(デニムウエア)をたくさん見ました。質・量共に圧倒され、あらためてブランドの歴史、偉大さを感じました。だからこそ、今回のモノ作りは自分とも縁の深い「ワーク」に限定しようと決めました。
WWD:具体的に教えてほしい。
小木:第2次大戦中の労働者のウエアをピックアップし、モダナイズしました。デニム製ワークシャツは襟をバンドカラーに、ウエスタンシャツはトレンドを意識しビッグシルエットにしています。
WWD:一番のお気に入りは?
小木:“マックイーン・パンツ”ですね。俳優のスティーブ・マックイーン(Steve Mcqueen)が愛した、ベルトループのないすっきりとしたピケやツイル素材のパンツなんですが、今回デニムバージョンを作りました。裕くん(藤原裕「ベルベルジン」ディレクター)から借りたビンテージの“マックイーン・パンツ”を、サンプルとしてサンフランシスコに持ち込みました。ベルトループを新設し逆にバックヨークはなくし、テーパードシルエットに仕上げています。いわゆる“大戦モデル”をヒントに、「リーバイス メイド アンド クラフテッド」の特徴である隠れアーキュエット・ステッチをペイントに変更しています。惜しまれつつ2017年いっぱいで閉鎖されたコーンデニム(CONE DENIM)のホワイトオーク(WHITE OAK)工場製セルビッジデニムを使い、日本で生産しています。レザーパッチの横には「POGGY’S」の黄色のタブも付けてもらいました。
WWD:アイテム製作において心掛けたことは?
小木:結果的に9アイテムを製作しましたが、まずコーディネート2体を思い描き、その着こなしからアイテムを決定しました。シンガーソングライターのジョン・メイヤー(John Mayer)やヒップホップデュオ、アウトキャスト(OutKast)のアンドレ・3000(Andre 3000)のデニムの着こなしがイメージです。僕はデザイナーではないし、デニムマニアでもありません。忠実復刻では勝てないので、あくまでファッションとして提案したいと思いました。希少価値が今後ますます高まるであろう“ホワイトオーク・デニム”にリンス加工を施してやや淡色にするなど、ちょっとしたヒネリをくわえることで、若いユーザーにもアプローチできればと思います。
WWD:第2弾があれば、どんなことに挑戦したい?
小木:“クロスビー・ジャケット”のようなラペルドジャケットに挑戦してみたいですね。