ナイキ(NIKE)は7月12日、店舗周辺エリアの会員データによって品ぞろえを“ライブ”で変えていく新コンセプトストア、“ナイキ ライブ(NIKE LIVE)”をロサンゼルスのメルローズにオープンした。
“ナイキ バイ メルローズ(Nike by Melrose)”と名付けられた同ストアの広さは約423平方メートル。「ナイキ アップ(Nike app)」「SNKRS」「ナイキ+ ラン クラブ(Nike+ Run Club)」「ナイキ トレーニング クラブ(Nike Training Club)」など、ナイキ公式アプリやECサイトを利用している地元のナイキプラス(NikePlus)会員のためにスピードと利便性を最大限発揮できるように設計されている。最終的には、アプリやECサイトで閲覧数が多い商品や繰り返し購入されている商品など、ロサンゼルスにいるユーザーのデータに基づいた品ぞろえを充実させるという。
店内の中央に設置されたナイキ スニーカー バー(Nike Sneaker Bar)では、スニーカーをスキャンするとサイズが表示され、ストアに在庫がなければアプリからオーダーできる。また、アプリから商品のフィッティングやロッカーでの受け取りの予約、オンラインと店舗の在庫状況のチェックが可能で、SMSを通じたスタッフとのチャットでのコミュニケーションサービス、商品の返品や交換、ブラジャーのフィッティングや裾上げサービスも提供する。
さらに、シューズやウエアを実際に試すためのルームランナーやスタイリングルームを用意し、会員に向けてよりパーソナルなショッピング体験を提供する。品ぞろえの新鮮さを保つため、店頭に並ぶスニーカーの25%を2週間ごとに入れ替えるという。
ハイディ・オニール(Heidi O'Neil)=ナイキ ダイレクトプレジデントは「同ストアをオープンするにあたりナイキが1番に考えてきたのは、実店舗のローカライゼーションとロサンゼルスにおけるブランドの成長だった」と明かす。
ナイキが同コンセプトストア初店舗をロサンゼルスにオープンした理由は、「ロサンゼルスは会員数が最も多い地域。このコンセプトの効果を実測し、いち早く多くのことを学びとるためにロサンゼルスにオープンした。ロサンゼルスでは50足に1足の割合で“コルテッツ(Cortez)”が売れるが、他地域でこんな頻度の高さは見られなかった。データとトラフィックパターンを調査したところ、中でもメルローズはナイキアプリ会員の行動の中心になる場所だった。このエリアに住む会員とナイキ間のエンゲージメントは昨年から48%も増加しており、この場所にニーズがあると考えた。もちろんロサンゼルスの他地域から訪れる顧客もいるが、この地域のためのストアというのが基本的な考えだ」とオニール=プレジデントは説明する。
ナイキは現時点では“ナイキ バイ メルローズ”から学ぶ段階としているが、オニール=プレジデントは2019年春に東京でも“ナイキ ライブ”のコンセプトを採用したストアをオープンするという。