メーカーズシャツ鎌倉(以下、鎌倉シャツ)は、パナソニックと協業した期間限定店舗を大阪・梅田に13日開いた。場所はグランフロント大阪の南館2階のショールーム「パナソニックセンター大阪」の一角。グランフロント大阪の改装に伴い、これまで南館地下1階で運営していた店舗を一時的に移す。来年3月上旬まで8カ月間営業する。
期間限定店舗は住空間を提案するコーナーに設けた。テーマは「働くオトコのクローゼットリビング」。ソファーとテーブルが置かれた落ち着いた雰囲気のリビングダイニングの壁一面には、鎌倉シャツの商品がずらりと収納されている。
収納棚には、ライフスタイルに合わせて自由に組み合わせられるパナソニックのシステム収納家具「キュビオス(CUBIOS)」を採用。住宅用の家具を店舗の什器として代用した他、ドラム式洗濯機や脱臭ハンガー、スチームアイロンなどの電化製品をディスプレイするなど、従来とは異なる発想で店を作った。パナソニックの「光ID」の技術も用いて、来店客のスマートフォンに商品情報を送理、店舗にない商品でもその場でオンラインで注文できる仕組みも取り入れる。
鎌倉シャツの貞末奈名子・常務は「異業種のショールームでアパレルのショップを展開するケースは珍しいと思う。今回のコラボを通して店舗のヒントになることがいくつかあったので今後に生かしていきたい。新しい取り組みに興味を持ってくれるお客さまも多いだろう」と話す。
パナソニックセンター大阪前の通路は1日約12万〜13万人が往来する。移転前は、地下1階の通行量の少ない場所だったが、「トラフィックの多いところに出店することで新規客を獲得する狙いもある」という。
移転前の店舗は、売り場面積85平方メートルで年間約4億円を売る好調店。一方、期間限定店舗は59平方メートルと狭くなるが、新規客の取り込みが見込めるため、8カ月間で約2億5000万円を見込む。
関西にはこれまで鎌倉シャツの直営店は大阪に1店舗しかなかったが、今秋、新たに2店舗を出店する。グランフロント大阪とは別の梅田の商業施設内に9月26日オープン。同店もトラフィックの多い立地にあり、初年度売上高は約4億〜5億円を計画している。さらに、なんば駅に立地する商業フロアにも出店する。訪日外国人が急増する大阪のキタとミナミの玄関口に販売拠点を置くことで、国内外への発信力を強める。