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P&Gがプレステージスキンケアブランド「ファースト エイド ビューティ」を買収

 プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE、以下P&G)はプレステージスキンケアブランド「ファースト エイド ビューティ(FIRST AID BEAUTY)」を買収した。買収額は公開されていないが、業界筋は推定25億ドル(約2800億円)とみている。「ファースト エイド ビューティ」の年商は5億ドル(約560億円)だという。リリー・ゴードン(Lilli Gordon)=ファースト エイド ビューティ創業者兼最高経営責任者(CEO)は引き続きCEOを務める。

 「ファースト エイド ビューティ」は、ゴードンCEOが2008年に立ち上げたブランドで、皮膚を治癒することをメーンにさまざまな製品を打ち出している。ラインも豊富に取り扱い、ニキビやエイジングケア、乾燥、くすみ、赤みなど多様な悩みにアプローチしている。価格は12〜58ドル(約1344〜6496円)だ。

 ゴードンCEOは「P&G傘下になることで、グローバル展開をより早く、効率的に行うことが可能だ。また、今まで処方の開発を外部に委託していたが、今後はP&Gが持つ研究所やリソースを生かすことができ、製品開発をパワーアップさせる」とコメント。同ブランドは8月にベースメイクアップ、その後はヘアケアなど新しいカテゴリーへの進出を計画している。

 マーカス・ストローベル(Markus Strobel)P&Gグローバル スキン&パーソナルケア プレジデントは「われわれのブランドポートフォリオにない分野のスキンケアブランドを探していた」と語る。実際、「ファースト エイド ビューティ」は同社傘下でハイエンドブランドの「SK-II」とマス向けブランドの「オレイ(OLAY)」の間に位置する価格帯だ。さらに、専門店のセフォラ(SEPHORA)とウルタ(ULTA)で限定販売されており、P&Gにとっては専門店チャネルの強化につながる。「『ファースト エイド ビューティ』は、専門的なスキンケアをキャッチーに打ち出していて、ミレニアル世代にも人気だ。また、スキンケアとメイクアップを融合した商品も出しており、ミレニアル世代を筆頭に、いそがしいライフスタイルを送る現代人からは多機能性商品の需要が高まっている。そんな彼らのニーズに応えることができるだろう」。

 P&Gは16年にコティ(COTY)に41の不採算ブランドを売却した。その後、「SK-II」の成長に注力してきたが、今年に入って他ブランドの買収を始めた。ナチュラル系デオドラント&パーソナルケアブランド「ネイティブ(NATIVE)」、ニュージーランド発のプレステージブランド「スノーベリー(SNOWBERRY)」を傘下に収めた。

 なお、15年から投資会社のカスタネア パートナーズ(CASTANEA PARTNERS)が「ファースト エイド ビューティ」に投資をしてきた。同社は、他にもブロー専門サロン「ドライバー(DRYBAR)」や日本からインスパイアされたビューティブランド「タチャ(TATCHA)」、ファッションブランド「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」に投資している。

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