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パット・マクグラスのメイクアップブランドが60億円の投資を受ける

 メイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)が手掛ける自身のメイクアップブランド「パット マクグラス ラボ(PAT McGRATH LABS)」は、仏投資会社のユーラゼオ ブランズ(EURAZEO BRANDS)から6000万ドル(約67億円)の投資を受けた。具体的な投資内容は明らかにされていないが、業界筋はユーラゼオ ブランズが「パット マクグラス ラボ」の株式5〜8%を取得したとみている。

 「パット マクグラス ラボ」は過去にワン ラグジュアリー グループ(ONE LUXURY GROUP)など外部から投資を受けており、その額は8800万ドル(約98億円)にのぼるという。同ブランドのビジネスは順調に推移し、業界筋は2018年の売り上げは6000万ドル(約67億円)を超えると予測する。また、市場では次の18〜24カ月の間は、買収の対象にもなりうると見られている。

 ユーラゼオ ブランズにとって、ビューティ企業に投資するのは2017年11月に買収したホームフレグランスブランド「ネスト(NEST FRAGRANCES)」に次いで、2度目だ。ジル・グラノフ(Jill Granoff)=ユーラゼオ ブランズ最高経営責任者は「パットのビジョンや才能はビューティ業界に革命を起こし、彼女のブランドは最も革新的でオーセンティックなブランドの一つだ」と高く評価する。

 パットは長年にわたりファッションショーのバックステージやエディトリアルで活躍してきた。「プラダ(PRADA)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ヴェルサーチ(VERSACE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」など数々のビッグメゾンのメイクアップを手掛ける他、10年にわたって伊「ヴォーグ(VOGUE)」の表紙を担当してきた。そのような経験を生かし、バックステージで培ったノウハウを製品に落とし込んで、一般の人にも使えるプロフェッショナルメイクアップラインを15年10月に誕生させた。デビュー製品でマルチユースのゴールドピグメント「ゴールド001」をウェブサイトで40ドル(約4480円)で発売したところ、6分間で1000個が完売した。その後限定品を発売し続けたが、17年9月にフルラインとして定番化した。製品はファッションショーで手掛けたメイクアップルックからインスパイアされたものが多く、「ゴールド001」は「プラダ」のために作ったゴールドのリップが着想源だ。また、ストリートウエアブランドのように新製品を定期的に“ドロップ”し、今も戦略的に販売を行っている。現在はセフォラ(SEPHORA)の54店舗で取り扱われている。

 パットは「われわれは現在とても好調で、アメリカを中心に出店しているが、世界中にファンがいる。ユーラゼオ ブランズと組むことによって、グローバルに展開する計画だ」と意気込む。今後、アメリカでは18年9月にセフォラの取り扱い店舗数を90に拡大し、メイクアップ商品の数も増やす。また、17年12月にスタートさせたアパレルラインも継続して販売する予定だ。

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