森川拓野のメンズブランド「ターク(TAAKK)」は、7月9日にニューヨーク・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、ニューヨークメンズ)で2019年春夏シーズンのコレクションをインスタレーション形式で発表した。生地を溶かすオパール加工を部分的に施して中が透けて見えるカットソーや、森川デザイナーが自身のアトリエから見た夕日を表現した色彩豊かなプリントなど、ユニークなアイデアを持ち前のテクニックで具現化した等身大のカジュアルウエアを披露した。
17年の東京ファッションアワード受賞を機に17-18年秋冬シーズンからパリとニューヨークで、19年春夏シーズンからはロンドンでも展示会を開催し、ニューヨークメンズのショーは2回目となる。現在の卸先は国内の30店舗に加え、アメリカのオープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)やイギリスのセルフリッジ(SELFRIDGES)など海外の有力店でも取り扱われており、海外への拡販に手応えを感じている。「東京ファッションアワードを受賞してパリで展示会を開き、さまざまな人と出会うことができた。その縁がきっかけでニューヨークでもコレクションを発表できている。アメリカはパリよりもスケジュールにゆとりがあるので、来てくれた人がゆっくり服を見てくれる。ブランドの強みであるテキスタイルをアピールしやすい」と森川デザイナーは語る。
今後はヨーロッパとアジアへの拡販をさらに強化していきたいという。「海外で発表を続けるうちに、自分の色が出たアイテムの方が評価されることがわかってきた。それらがもっと際立つように、メリハリをつけたコレクションの構成にしていきたい。ニューヨークメンズのショーもビジネスや人との出会いにつながっているので、継続したい」。