福岡市は博多区の青果市場跡地の再開発について、三井不動産を中心とした企業グループを事業予定者に選定したと発表した。三井不動産は九州初となるショッピングセンター(SC)「ららぽーと」を核にした大型複合施設を2021年度末に開業する見通しだ。東京のららぽーと豊洲にある子どもの職業体験テーマパーク「キッザニア」も誘致する。開発予定地は半径2〜3㎞圏内に博多駅や福岡空港、天神の繁華街がある有力エリアにある。福岡ではヤフオクドームの隣に三菱地所によるSC「マークイズ福岡ももち」が今秋開業する予定で、中心部と郊外の商業施設同士の集客合戦が激化することになる。
三井不動産は今回、九州電力、西日本鉄道(西鉄)の3社とタッグを組む。開発予定地は最寄り駅から800mほど離れているが、西鉄は博多駅や福岡空港などとバスで結ぶ。
三井不動産は関東と関西に広域型SCのららぽーとを13施設運営する。9月には「ららぽーと名古屋みなとアクルス」を開業して名古屋に初進出。今回発表した九州進出で全国展開を加速させる。
福岡市による再開発業者の公募には、三井不動産の他、イオンモール、イズミ、JR九州をそれぞれ中核とした3つの企業グループが名乗りを上げていた。有望な商圏であることに加え、最近は福岡に訪日客が急増していることもあって、参入希望が相次いだ。