ロンドンに拠点を置く大手ファッションEC企業ファーフェッチ(FARFETCH)はIT企業キュリオシティチャイナ(CURIOSITYCHINA)を買収した。北京、香港、上海、パリに拠点を置くキュリオシティチャイナは「バリー(BALLY)」「ディーゼル(DIESEL)」「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」「トリーバーチ(TORY BURCH)」などのブランドに、中国でのSNSおよびEC戦略サービスや顧客関係管理サービスなどを提供している企業だ。
キュリオシティチャイナの買収により、ファーフェッチは自社が提供しているECサイトの構築・デザイン・運営、カスタマーサービス、在庫の一元管理などのサービス“ブラック&ホワイト ソリューションズ”を、中国市場をねらうブランドに向けて強化する。
ファーフェッチのジョルジョ・ベローリ(Giorgio Belloli)チーフ・コマーシャル&サステイナビリティー・オフィサーは「キュリオシティチャイナは、80以上のラグジュアリーブランドとビジネスをしている、市場をリードする企業。今ブランドは中国市場でのプレゼンスを高め、現地の方法で中国顧客とコミュニケーションすることを望んでいる。キュリオシティチャイナを買収したのは、彼らのサービスがわれわれの“ブラック&ホワイト ソリューションズ”で欠けているものを完璧に補完できるものだったからだ。今ブランドに提供しているサービスにさらに専門的な観点からのサービスを加えることができる」と語る。
ファーフェッチに出店しているブランドは、キュリオシティチャイナのサービスを活用してウィーチャット(微信、WeChat)アカウントの運営や、ウィーチャット上でECサイトを作成できるプログラム「ミニプログラム」などを利用できるという。
なお、ファーフェッチは2017年7月に中国第2位のEC企業JDドットコム(JD.com)から3億9700万ドル(約436億円)の資金を調達している。