ファッション

英国で毛皮製品の輸入販売について議論が白熱 表示偽装問題が発端

 イギリスの環境・食料・農村地域省に属する委員会は22日、英国政府がブレグジット(EUからの英国離脱)を機に毛皮製品の輸入販売禁止を検討すべきだとする報告書を発表した。同報告書には、毛皮の是非について政府が“国民意見の聴取(Public Consultation)”を行うべきだと記載されている。英国では大きな影響を与える事業や法律、規制は必ず国民諮問を経る必要がある。

 これは、2017年12月にブーフー(BOOHOO)やアマゾン(AMAZON)、エッツィ(ETSY)など複数の小売業者が毛皮を使用した製品をフェイクファーとして販売していた問題が明らかとなったことに端を発する。4月にはアマゾンをはじめとする巨大マーケットプレイスや英国毛皮貿易協会(THE BRITISH FUR TRADE COMPANY)、ファー・ヨーロッパ(FUR EUROPE)、国際毛皮連盟(INTERNATIONAL FUR FEDERATION)の代表者らが出席する公聴会が開かれた。

 この件についてニール・パーリッシュ(Neil Parish)下院議員兼委員会会長は、「製品表示は正確でなければいけないし、消費者にとって分かりやすくなければならない。しかし、EUの基準は原産地や成分を消費者が正確に理解するには不十分だ」と話し、ブレグジットは英国独自の基準を導入するよい機会だと主張する。

 現行のEU規則は犬猫の毛皮の販売やアシカ猟を禁じており、英国でも00年に毛皮動物の飼育を禁じている。その一方で、英国では依然としてフォックス、ラビット、ミンク、コヨーテ、ラクーン、チンチラなどあらゆる毛皮を輸入販売している。

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