「WWDジャパン」のご意見番、三浦彰・編集顧問が、最新号の中から気になるニュースをピックアップ。その見どころを解説します。今日は7月23日号から。
ついにバーチャル・スーパーモデルが登場だが笑い話で終わるだろうか?(P.7)
写真もモデルも実に素晴らしいのでついつい記事も食いいるように読んでしまった。出るべくして出た感じだ。今年最大のスクープかもしれない(笑)。表紙にもなったバーチャル・スーパーモデルのシュドゥ(Shudu)のことである。まあ、たとえは下品だが、いわゆるファッション版の「ラブ・ドール」みたいなもんだなと書くと、ヒンシュクを買うかもしれない。しかしファッションショーに現れるスーパーモデル(リアル)というのが、散文的な存在ではなくて、あまり肉体を持たないちょっと詩的な存在であったから、こういうIOTフェチみたいなアバターが登場してくるのだろう。笑い話ではないが、スーパーモデルには1990年代には1日で1000万〜2000万円支払っていたことを思えば、「経済効率」を求める行動とも言えるが、今後どんなことになるのか興味津々である。
ミレニアル世代の心をつかめ!(P.10)
ラグジュアリー・ブランドとSPAブランドが好調(SPAブランドについては最近はそうでもなくなってきているが)で、その真ん中のミドルプライス商品が低迷という図式が言われて久しいが、それはなぜか?簡単に言うと両端ブランドは、若年層への訴求ポイントがいくつかあって、それが顧客の活性化、つまり若返りをスムーズに行えるからなのだ。ここでは「ティファニー(TIFFANY & CO.)」やアウトドアブランド「L.L.ビーン(L.L.BEAN)」などの若年層への訴求がレポートされている。
「ボッテガ」の銀座新旗艦店は「ディオール」跡地(P.9)
「ディオール(DIOR)」はギンザ シックス(GINZA SIX)に大型旗艦店が昨年4月にオープンしているのだから、そこから100mほどしか離れていない旧旗艦店はどう考えても不要だったが、やっとその後継ブティックが決まった。なんと、「ディオール」が属するLVMHとはライバルのケリングの「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」というのが驚きだ。なんでこういうことになったのかというと、どうも今「ボッテガ・ヴェネタ」のCEOのクラウス・ディートリッヒ・ラース(Claus-Dietrich Lahrs)がからんでいるように思う。ドイツ人のラースは「ボッテガ」の前は、「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」のCEOを務めていたのだが、その以前は「ディオール」のナンバー2だかナンバー3を務めていた人物だ。「ほう、あの物件ならいいか」と思ったのか、あるいはLVMHとケリングというのは、物件情報などでは実は通底しているということもあるのじゃないかと思わせるような店舗選びである。