#SeeBuyWearと名付けられた「レベッカミンコフ」2016年春夏コレクション
ここ数日、ニューヨークは氷点下でした。コレクション会場の外で身体を張ってスナップを撮影するカメラマンや、撮影のために一度上着を脱いで笑顔でポーズをとるモデルやブロガーも、本当にリスペクトです。取材する私たちは完全防備。おしゃれは二の次で防寒第一です(笑)。そんな中、次の秋冬シーズンである2016-17年秋冬コレクションのショーを私たちは見ている訳ですが、暖かそうなコートやニットを見ると「今すぐあの服が着たい!」なんて思ったりもします。
氷点下16度を記録したニューヨーク
前回のNYコレ連載で、ショーを発表する時期や発表自体のスタイルを考えさせられるシーズンになりそうだと書きましたが、「レベッカ ミンコフ」は、他のブランドが16-17年秋冬コレクションのショーを発表する中、オンシーズンの2016年春夏コレクションを発表しました。現在、店頭にある服および向こう1カ月間販売する服をショーで見せたのです。1シーズンずらしてショーを実際に開催したのは、「レベッカミンコフ(REBECCAMINKOFF)」が初めてではないでしょうか?
これまでのシステムの場合、コレクションを発表したあとに、実際にそれらのコレクションが店頭に並ぶのは約半年後。デジタルが発達した今、ショーを発表してから約半年後に商品を販売したのでは消費者に飽きられてしまう、というのが大きな理由です。また、できるだけ“今すぐ欲しい”と思った瞬間のエモーショナルな気持ちを捕まえて、消費者にプロパー(セール前の正規価格)で買って欲しいというのも狙いでしょう。
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“体験型”のショー真っ最中のダイアン・フォン・ファステンバーグ Courtesy of DVF
「レベッカ ミンコフ」に話を戻すと、今回のショーではバイヤーやエディター、ブロガーといったファッション業界の人たちだけでなく、一般客50人をショーに招待しました。その人たちが、その後、どのようにSNSで拡散してPRに一役買ったり、店舗やオンラインで購入したりしたのか、また、ショーに来ない人でもブランドに興味がある人はどんな反応を示したのか追跡取材をしたいと思っています。一方で、シーズンをずらしてショーを発表することについては、生地などの素材調達や生産背景といった点においても、いろいろな課題もありそうです。コレクション期間中に、いろんな方に意見を聞いてみようと思っています。
そして、14日に発表を行った「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」は、これまでのランウエイ形式での発表ではなく、店舗でモデルがさまざまなシチュエーションで踊ったり、ちょっとした演技をしたりして、来場者がそれを近くで見ることができる、“エクスペリエンス(体験型)”のショーを披露しました。「ダイアン フォン ファステンバーグ」でも、今すぐオンラインで買えるというドレスを数型用意しました。その意図をCFDA(アメリカファッション協議会)の会長であり、ブランドのデザイナーでもあるダイアン・フォン・ファステンバーグに尋ねてみようと思ったのですが、モデルと一緒にダンスしていて、まさに“体験型”ショーの真っ最中で聞けなかったので(笑)、またの機会にチャレンジしたいと思います。
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