「エルメス(HERMES)」は中国で販売する商品の価格改定を発表した。中国政府は本土における消費促進を目指して7月1日からアパレル、靴、帽子などの平均輸入関税率を現行の15.9%から7.1%に引き下げたことを受けて、エルメス インターナショナルは4%の値下げを決めた。
欧州のラグジュアリーブランドは相次いで価格改定を進めている。「エルメス」の他には「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が全カテゴリーで3~5%、「グッチ(GUCCI)」が全カテゴリーで5%、「バーバリー(BURBERRY)」はウエアとバッグの価格を4%ずつ引き下げている。
アナリストによると、中国政府の輸入関税引き下げによって最も影響を受けるのは、中国本土からの来訪者による消費割合が高い香港で、韓国や日本など、中国人の旅行先に選ばれるその他アジア地域への影響は軽微だという。
コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニー(BAIN & COMPANY)によると、2017年に世界中で売れたラグジュアリーグッズの3つに1つは中国国籍の人が購入したという。また、エクサンBNPパリバ(EXANE BNP PARIBAS)のルカ・ソルカ(Luca Solca)=ヘッド・オブ・ラグジュアリーグッズは、「(今回の中国政府の取り組みは)ラグジュアリーブランドにとっては良いニュースだが、関税引き下げに伴い小売り価格の引き下げを求める中国政府からのプレッシャーはあるだろう」と話す。