LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2018年1~6月期決算は、売上高が前年同期比10.3%増の217億5000万ユーロ(約2兆8270億円)、営業利益が同29.1%増の45億7800万ユーロ(約5951億円)、純利益が同41.2%増の30億400万ユーロ(約3905億円)と増収増益だった。ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)によると、同上半期の数字は2010年通期決算の結果とほぼ同じだという。
決算会見でベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「上半期の結果は傘下ブランドに対する消費者の需要の高さとLVMHの戦略が奏功していることを証明した。不利な為替状況下だったことを踏まえると上半期の結果がいかにすばらしいものだったかが分かる」とコメント。また、為替変動や貿易関税の脅威を挙げて、「世界的に消費者からの需要は高いが、経済的・政治的な不確定要素は残る。堅実にビジネスを進め、チームの才能を信じ、起業家精神を共有して今年も業界の中でリーダーシップを発揮していきたい」と、下半期についてはこれまで通り慎重な姿勢を見せた。
ブランドごとの内訳は開示していないが、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」が属するファッション&レザーグッズ部門は同24.5%増の85億9400万ユーロ(約1兆1172億円)を売り上げ、全体売り上げの約40%を占めた。同部門の稼ぎ頭「ルイ・ヴィトン」は引き続き好調だが、アルノー会長兼CEOは適正な規模感にとどめたいと話す。なお、同上半期からクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)の業績が含まれている。
その他、「ジバンシィ(GIVENCHY)」はクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)=クリエイティブ・ディレクターがメーガン妃のウエディングドレスを手掛けたことでブランドの認知度が高まり、「セリーヌ(CELINE)」は引き続きレザーグッズが好調だったという。また、「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」の業績は昨年に比べて改善しており、損失幅も縮小。売り上げ全体の12%を占めるウオッチ&ジュエリー部門は「ブルガリ(BVLGARI)」がけん引しているという。
18年下半期は、「フェンディ」がスペイン初の店舗をバルセロナに出店し、「ケンゾー(KENZO)」は米ラスベガスと伊フィレンツェに出店する。