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伊藤忠ファッションシステム新社長が目指す“世界にない異能集団”の使命

 伊藤忠商事(以下、伊藤忠)のグループ会社、伊藤忠ファッションシステム(以下、IFS)の駒谷隆明・社長が4月1日の就任以来初めて会見を開き、今後目指す企業像や抱負を語った。IFSはブランディングカンパニーとして独自のファッションマーケティングの手法を生かし、 企業や商品のイメージを確立させるための戦略設計、コンサルティング、ソリューション提供などを主事業とする。IFSと伊藤忠が作成した伊藤忠の企業広告シリーズは昨年、日経広告賞において2年連続、3回目の大賞を受賞している。駒谷新体制下のIFSの新しい使命とは?

―“小さな商社”“リトル伊藤忠”とも評されるが、グループの中でIFSはどんな存在?

駒谷隆明IFS社長(以下、駒谷):役割の1つを例えるなら、伊藤忠の先鋒隊として相手先企業の懐に入り、情報を取集してフィードバックすること。IFSの事業はもちろん、独自のデータや知見を利用して伊藤忠の新事業に貢献している。右脳で考える知識や感覚の集団だ。伊藤忠の半歩先、一歩先を行く、伊藤忠とは全く違う異色できらりと光る存在でありたい。さまざまなデータを独自に分析し、次のトレンドや需要を的確に導き出す力がIFSの強み。世界でも類を見ない企業だと思う。

―サンフランシスコのバッグブランド「ティンバックツー(TIMBUK2)」などの総輸入元としてブランド事業を行い、熊本県山鹿市で8月4日~9月12日の約40日間行われるシルク開発・販路開拓の推進を目的としたイベント「シルク オン ヴァレー ヤマガ フェスティバル(SILK ON VALLEY YAMAGA FESTIVAL)」に関わるなど、業務領域は幅広い。

駒谷:IFSがカバーする分野は、繊維、ファッション関連だけでなく、化粧品、自動車、家電など多岐にわたり、今もいろいろなプロジェクトが進行している。今の私のミッションの1つは、新規クライアントのさらなる開拓だ。ライフスタイルが多様化する中で、私のコネクションを利用してさまざまな可能性を探っている。ビジネスのポートフォリオを広範囲に強化したい。7月2日、青山にリニューアルした新生ifs未来研究所は、幅広い分野の企業やクリエイターとの交流や情報発信の場として貢献している。

―中でも、力を入れたい事業は?

駒谷:成長市場であるeコマースの企業サポートやブランディングに注目したい。それはこれまでIFSが弱かった領域でもある。そして、パートナー企業との関係は従来の受託型、伴走型ではなく、IFSの知見を生かした提案型とし、一緒に同じゴールを目指したい。

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