モンクレール(MONCLER)の2018年1~6月期決算は、売上高が前年同期比21.0%増の4億9354万ユーロ(約641億円)、純利益が同47.3%増の6162万8000ユーロ(約80億円)と大幅な増益だった。
上半期の好調をけん引したのは、2月から展開している新プロジェクト「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」だ。中でも、6月に発売した藤原ヒロシがデザインする“7 モンクレール フラグメント ヒロシ・フジワラ(7 MONCLER FRAGMENT HIROSHI FUJIWARA)”が大きく貢献した。ロベルト・エッグス(Roberto Eggs)=チーフ・マーケティング&オペレーティング・オフィサーによると、「モンクレール ジーニアス」発売直後の来店者数は10%増、発表2週間後は20%増加したという。
また、同コレクションはメンズをターゲットにしていたが、実際は購入者の半数が女性だったことに触れ、「驚いた」とコメント。また、買物客の45%は同ブランドのこれまでの顧客ではなかったこと、“7 モンクレール フラグメント ヒロシ・フジワラ”は同期間の全体売り上げの10%を占めたことを明かした。
売り上げを地域別に見ると、アジアとヨーロッパ、中東およびアフリカを除くその他の地域は同31.8%増の2億44万ユーロ(約273億円)で、全体売り上げの42.6%を占める。日本は“7 モンクレール フラグメント ヒロシ・フジワラ”が大きく動き、特に好調だった。また、中国も2ケタ成長を見せた。7月からは、中国政府の関税率引き下げに伴い「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「グッチ(GUCCI)」「エルメス(HERMES)」「バーバリー(BURBERRY)」同様、価格を平均3.5%引き下げている。
同社は今年中に直営店15店舗のオープンと15店舗の増床、もしくは移転を予定している。19年前半には韓国向けのECサイトを開設予定で、またその他にも大きなプロジェクトが控えているという。
上半期の結果を受けてレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼最高経営責任者は、「市場の期待を上回るだけでなく自分たちの予測も超えてしまった」と振り返る。「ブランド価値を高めるために努力しつづけ、大きなプロジェクトを進めることで当社の最新キャンペーン“Mocler Beyond”(限界や期待を超えて自分らしくいることの重要性をメッセージとして発信するために世界各地からそれぞれ背景、業界、年齢も超えた19人を起用したキャンペーン)を体現できると信じている」と語った。