ラグジュアリーブランドの中古品を扱う会員制ECサイトを運営するザ・リアルリアル(THE REALREAL)はシリーズGファンド(主にベンチャー企業が行う資金ラウンド)で1億1500万ドル(約126億5000万円)を調達した。これまでに調達した合計額は2億8800万ドル(約316億8000万円)となる。
今回の資金調達では、米金融大手サービス企業、ペレラ・ワインバーグ・パートナーズ(PERELLA WEINBERG PARTNERS)の中堅企業向け投資企業グループ、PWP グロース エクエティ(PWP GROWTH EQUITY)を中心に、サンドブリッジ キャピタル(SANDBRIDGE CAPITAL)やグレート ヒル パートナーズ(GREAT HILL PARTNERS)などの投資会社が出資した。
ジュリー・ウェインライト(Julie Wainwright)=ザ・リアルリアル創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「今回調達した資金で新たな実店舗をオープンできる。また、新しい流通センターを設けてラグジュアリー製品をさらに新規投入する。ニューヨーク・マンハッタンのアップタウンとダウンタウンで新店舗のオープンを検討している。まずは少数出店し、その後出店ペースを増していく。また、現時点で新たなカテゴリーに進出することは考えていないが、時計やバッグの修理サービスや、テーラーリングサービスなどの新サービスを提供したい」と語る。
また数年以内に行うとしていた新規株式公開についてウェインライト創業者兼CEOは、「現在予想を超えるスピードで成長している」とコメントしたものの、具体的な時期についてはコメントを控えた。
ザ・リアルリアルは2011年に米国で創業。「グッチ(GUCCI)」「シャネル(CHANEL)」「エルメス(HERMES)」「プラダ(PRADA)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「カルティエ(CARTIER)」といったアマゾン(AMAZON)やイーベイ(EBAY)など他の巨大EC企業が弱いラグジュアリーブランドの中古品を取り扱い、驚異的なスピードで成長してきた。
2017年11月にはニューヨーク・ソーホーに初店舗をオープン。同店舗ではECサイトのアイテムだけでなくインテリアも取り扱い、カフェや委託販売オフィスも設置する他、宝石鑑定士や時計職人が常駐する。シカゴ、サンフランシスコ、ダラス、ワシントンにも実店舗を設け、7月26日にはロサンゼルスのメルローズ・アヴェニューにも新店舗をオープンしたばかりだ。
今回のシリーズGファンドを機にザ・リアルリアルの取締役会に入るチップ・ベアード(Chip Baird)PWP グロース エクエティ共同設立者兼パートナーは、「ザ・リアルリアルは、リセール市場と消費者のラグジュアリー商品の購入方法を変えてきた企業。今後ますますEC化が進み、中古市場が拡大することによって、同社はさらに利益を伸ばすユニークなポジションにある」と評価している。
13年8月には日本語版サイトを開設し、会員数は2年で約30万人に達したが15年に閉鎖し、撤退している。