ゴーシャ・ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)とスケーターのトリア・チタエフ(Tolia Titaev)が2016年に設立したブランド、「ラスベート(PACCBET)」がスケートセレクトショップ、オクチャブル(OKTYABR)をオープンした。
7月28日にモスクワのニューアルバート(New Arbat)にオープンした約150平方メートルの広さの同店舗は、コンクリートやスチールをベースにしたインダストリアルなデザインで、壁にずらりと掛けられたボードデッキの下には、さまざまな色のTシャツが並ぶ。ロシア語で“夜明け”を意味する「ラスベート」の他、「ダイム(DIME)」「ステューシー(STUSSY)」「カーハート(CARHARTT WIP)」などのスケートブランドや、チタエフがモスクワのスケーター、ゴーシャ・コニシェフ(Gosha Konyshev)と始めた「ロシアン アブサード(RUSSIAN ABSURD)」などの他ブランドも取り扱う。現在24歳というチタエフは、オクチャブルを「モスクワで初めての複数のスケートブランドを取り扱うショップ。ロシアには強いスケートシーンがあり、ユースカルチャーも盛り上がっていることを世界に伝えたい」と語る。
ショップ名は、モスクワのスケーターがそれぞれのスキルを磨くべく集まる駅、オクチャブリスカヤ(Oktyabrskaya)に由来する。ロンドンのデザインスタジオ、ブリンクワース(BRINKWORTH)が店舗デザインを手掛け、モールに多く出店するロシアのコンセプトショップ、キックスボックス(KIXBOX)との提携で運営する。国外発送に対応した公式ECサイトもオープン予定だ。
同ストアにはアート・ディレクターのような立場で参画し、取り扱いブランドのセレクトや店舗デザインをアドバイスしたというゴーシャ・ラブチンスキーは「モスクワの街には、ベルリンやロンドン、コペンハーゲンのようにいろいろなブランドが置いてある普通のスケートショップがなかった。ただのショップとしてではなく、スケーターみんなが集まることのできるコミュニティーのミーティングポイントにしたい」と話す。
また、同店のオープンと同時に「ラスベート」は第4弾となるコレクションを公開した。「ラスベート」はゴーシャ・ラブチンスキーの名を冠したブランド「ゴーシャ ラブチンスキー(GOSHA RUBCHINSKIY)」と同じく、コム デ ギャルソン インターナショナル(COMME DES GARCONS INTERNATIONAL)が生産とディストリビューションを担っている。一方でゴーシャは、4月に自身のインスタグラムに「われわれは皆が知っている形の『ゴーシャ ラブチンスキー』を終了する。シーズンごとのコレクションは今後販売しない。代わりに、何か新しいことに取り組む」と投稿している。同投稿を含む「ゴーシャ ラブチンスキー」の過去の投稿は現在は削除され、「ラスベート」の最新コレクションがアップされている。
スケートカルチャーの興隆についてチタエフは「スケートカルチャーがアンダーグラウンドだった頃、破けたジーンズに穴の空いたボロボロのスニーカーをはき、ただただスケートを楽しんでいたのを覚えている。だけど今スケーターが着ているのは『バレンシアガ(BALENCIAGA)』や『グッチ(GUCCI)』『シュプリーム(SUPREME)』と『ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)』のコラボなどだ。今のスケートカルチャーはもっとスタイリッシュで、いかに見た目をよく見せるかなんだ」と語る。ゴーシャも「一方で、スケートブランドを着るのにスケーターである必要はないんだよ」と付け加えた。