フリマアプリ運営のメルカリ(MERCARI)が31日、「フリマアプリがもたらす周辺市場への影響と消費行動の変化」に関する調査結果を発表した。同調査は7月、慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶(ひかる)准教授監修のもとで全国のフリマアプリ利用者1032人に対して実施したもの。調査の結果、ユーザーの64.1%がフリマアプリによって購買・消費行動に変化があったと回答。特に、フリマアプリ利用のために周辺サービスの利用が増加していることがわかった。
具体的にはフリマアプリ利用前後で43.9%のユーザーが商品発送の目的で郵便局の利用が増えたと回答し、同じくコンビニの利用も39.9%のユーザーが増加したと答えた。包装・梱包資材の購入目的で100円均一ショップの利用が増加したユーザーも33.3%いた。他にも修理が必要だがまだ使えるモノを修理して出品してみたいと考えるユーザーは全体の42.5%だった。
こうしたサービスを合算すると、フリマアプリ利用前後で一人当たり年間平均4145円の消費が増えた計算になる。フリマアプリの推定利用者数1814万人を掛け合わせると、フリマアプリ周辺サービスへの経済効果は年間最大752億円だったという。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶・准教授は、「4月に実施した前回の調査では、“商品の所有から利用へ”という消費行動の変化が明らかになった。今回の調査で特筆すべきは、利用者が想像以上に周辺サービスを活用しているということだ」とコメント。
小泉文明メルカリ社長兼COOは、「アパレルでは最近、単価の高い商材が売れていると聞く。これは二次流通で売れるという背景もあるようで、ストーリーがあるブランド、価格に対する説明がきちんとできるブランドにとっては、売りやすい時代になるだろう。無駄なものは生産されずに、長く使えるモノがきちんと流通することで、サステイナブルな社会につながるはずだ」という。
発表会に登場したリペアショップ「ミスターミニット」の迫俊亮ミニット・アジア・パシフィック社長も、「店頭でもお客が購入前の商品を提示して『この商品は直せるか』という相談が確実に増えた。特に、時計サービスはこの1年で1.5倍くらいに増えているので、影響を感じている。実際にアプリを見ても、『ミスターミニット修理済』というコメントがある。今後は当社でも扱える商材をさらに増やしたい」と話した。