ファッション

世界で大ブレイク中の“異色肌”の震源地 元祖異色肌ギャルmiyakoに直撃取材

 1990年代後半から2000年代前半に日焼けした肌に派手なヘアメイクが特徴の“ガングロギャル”が話題を呼んだが、今新たなギャルが世界中でブームを起こしている。“異色肌ギャル”は、その名の通りさまざまなカラーを全身に取り入れたド派手な格好のギャルのことだ。今SNSで#ishokuhadaと検索すれば世界中から投稿があり、日本にとどまらずグローバルな広がりが垣間見える。

 さらに、世界のコレクションサーキットでも静かにそのブームが訪れつつある。昨年4月に「グッチ(GUCCI)」が発表した宇宙人ムービーに引き続き、「モスキーノ(MOSCHINO)」は今年2月のミラノ・コレクションで、6月下旬からは超大物フォトグラファーのスティーブン・マイゼル(Steven Meisel)とスーパーモデルのジジ・ハディッド(Gigi Hadid)らを起用。“異色肌”を打ち出した。同じ6月のメンズコレではパリで「アンダーカバー(UNDERCOVER)」が“異色肌男子”、7月のオートクチュールでは「メゾン マルジェラ “アーティザナル” デザインド バイ ジョン ガリアーノ(MAISONMARGIELA 'ARTISANAL' DESIGNED BY JOHN GALLIANO)」がカラフルなチュールをまとった異色肌風コレクションを発表した。とどまることを知らない“異色肌ブーム”。だがその震源は、miyakoという一人の日本人ギャル。異色肌ブームは彼女が昨年ツイッターに投稿した1枚の写真から始まった。miyakoに直撃インタビューを敢行した。

異色肌になったきっかけ

WWD:異色肌ギャルになったきっかけは?

miyako:スチームパンク(注:DIYによるヴィクトリアン調のSFファッション)やイラストレーターの水野純子のイラスト、アニメ「パンティー&ストッキング ウィズ ガータベルト」が好きだったことなどがきっかけです。もともとよく装飾過剰なファッションでイベントやパーティーにも行っていました。それで知人にも集まってもらって一緒に創作写真を撮って、ツイッターに上げたら、すごい反響になってしまって。コスプレの撮影会やパーティーなどの定期的なイベントではなく、オシャレをして集まって撮影をした、という感じです。小学生の頃からロリータファッションなどが好きだったので、派手な格好には抵抗はないですね。もちろん、毎日派手な格好をしているわけではないですよ。 “誰かのため” “何かのため”に異色肌をしているのではなく、純粋に自分が好きな格好をしているだけです。

WWD:ブレイクしたのは?

miyako:同じ趣向の友達と定期的に、異色肌の格好で集まっていたのですが、昨年の6月にツイッターにあげた写真にすごい反響があって、そこから一気に広まった感じですね。まさかここまでブームになるとは当時は思いもしませんでした!

WWD:2月の「モスキーノ」のコレクションを見てどう思った?

miyako:あっ、異色肌だって。

WWD:自分の影響だと?

miyako:とんでもないです。でも今、インスタで#ishokuhadaを検索すると多くの外国の方が投稿してくださっているので海外にも広がっているという実感はあります。もし「モスキーノ」のデザイナーの方が見てくださっていたらうれしいです。

WWD:最近ギャルブームの復活が話題になっているが、それについてどう思う?

miyako:1990年代後半〜2000年代前半に「エッグ(EGG)」などを参考にしていた過激なギャルが流行ったが、彼女たちが今大人になって、モノを作り、発信する世代になっています。パラパラなどを懐かしく思う世代が世にそういったものをまた発信していることで、またブームになっているのかと。今の若い子には逆に新鮮に映っているのかもしれませんね。ちょうど青山テルマもパラパラの曲を出したのもその一例です。

WWD:異色肌に変身するにはどのようなプロセスが?

miyako:肌は、舞台用のドーランを全身に塗っています。舞台用化粧品専門店の「三善」で一つ1000円ほどで売っていますが、一回で大体1個使い切りますね。役者も毎日塗っているものなので、肌に優しい処方になっています。街中では、人にぶつかったりすると色が移ってしまうので、気をつけています。カラーはその気分によって変えますが、ビビッドなものが多いです。目元には百円ショップで買ったラインストーンやシールといったデコレーションパーツを付け、カラコンは派手なものをネットで買っています。洋服もネットやダンス衣装専門店で買うことが多いですが、「サディスティック アクション(SADISTIC ACTION)」「24アワー パーティー(24H PARTY)」などが好きです。一回変身するのに全部で5万円ほどしますね。

WWD:メイクはどこで買う?

miyako:海外が多いです。「ジェフリー・スター コスメティックス(JEFFREY STAR COSMETICS)」「ライム クライム(LIME CRIME)」「NYX プロフェッショナル メイクアップ(NYX PROFESSIONAL MAKEUP)」など、派手な色がそろって、発色が良いブランドが好きです。ペイパルのアカウントさえあれば海外のものもすぐに買えますよ。

WWD:普段のメイクは?

miyako:メイクは好きなので毎日しますが、これも気分によって変えますね。最近は少しドーリーなルックが多いです。最近インスタグラムであげたルックのうち、サメをイメージしたメイクに反響がありました。サメのシルエットを目元に入れたものなのですが、「ジェフリー・スター コスメティックス」の青いアイシャドウに「NYX」の白いアイライナーを使いました。

WWD:スキンケアのこだわりは?

miyako:やはりきちんと落とすことですね。クレンジングには気をつけています。ドーランは油性なので、つける日は顔はオイルでしっかり落とし、腕や足などはクレンジングシートで拭き取ってから、湯船に浸かって丁寧に落としています。あとはパックをしたり、サプリメントを飲んだり、毎日の積み重ねです。結構乾燥肌なので、保湿をしっかりしています。

WWD:ヘアのこだわりは?

miyako:ブリーチをしているので、トリートメントは必須です。「オージュア(AUJUA)」のトリートメントをしたり、本当に痛んだ時は原宿にある「ザトリートメント(THE TREATMENT)」で3万円のトリートメントをしています。カラーはいつも「キャンディシロップ(CANDYESYRUP)」に通っています。

WWD:よくチェックするインスタのアカウントは?

miyako:最近気になっているのは、メークアップアーティストでファッションデザイナーのトリシャ(Trisha Denise Montero、@trishadenisemontero)とインスタグラマーのフィーカル・マター(Fecal Matter,@matieresfecales)です。

WWD:好きなファッションブランドは?

miyako:ファッション自体が大好きなので、好きなブランドを挙げたらキリがないのですが、暇さえあればルミネやパルコ、渋谷109、ラフォーレ原宿などの商業施設に行っています。ただ、「ロクパーセントドキドキ(6%DOKIDOKI)」「ベイビーザスターズシャインブライト(BABY,THE STARS SHINE BRIGHT)」は昔からずっと好きです。

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