百貨店大手5社の7月度の売上高(既存店ベース)は、全社とも前年実績を下回る厳しい結果となった。この間、百貨店はインバウンド(訪日客)と富裕層の活発な消費に支えられて好調が続いていたが、久々にブレーキがかかった形だ。三越伊勢丹が前年同月比4.4%減、高島屋が同3.4%減、大丸松坂屋百貨店が同4.1%減、そごう・西武が同4.2%減、阪急阪神百貨店が同2.0%減だった。
阪急阪神百貨店を除き、夏のクリアランスセールが昨年に比べて1日早い6月29日に始まったことで全社とも6月の売り上げは伸ばしたが、需要の先食いによって7月が落ち込んだ。上旬に西日本を襲った豪雨も影響した。7月27日からは、各社が足並みをそろえて「プレミアムサマーバザール」を開始し消費喚起を狙ったが、台風直撃もあって苦戦。「台風で28日の客数が大幅に減り、27~29日で見ると売り上げは前年をやや下回った」(三越伊勢丹)、「基幹9店で見ると、27日は前年比7.5%増だったが、27~31日では微減」(大丸松坂屋百貨店)という。一方で、「27~31日は前年比3.5%増だった」(高島屋)という声もある。
インバウンド消費を含めた高額品や化粧品は引き続き好調だ。「化粧品の好調が続いているのに加え、高額な宝飾品・呉服・美術が前年上回った」(高島屋)、「13%増だったインバウンドを含め、化粧品、ラグジュアリーブランド、高級時計が引き続き好調」(大丸松坂屋)、「100万円以上の高額品で見ると前年同月比19%の伸び、1000万円単位の商品も動く」(阪急うめだ本店)といった声があがった。