ファッション

バンタン在校時にブランドを立ち上げた相羽瑠奈が、起業して取締役になるまで

バンタン在校時にファッションブランド「アール(RRR)」をスタートした相羽瑠奈が、新しいステージを迎えている。これまで東京・千駄ヶ谷にショールーム兼ショップを構えていたが、7月28日に「アールショップ」を原宿のキャットストリートの少し奥に開いた。一緒にブランド運営する山田雅之とともに新会社レインボーシェイクを6月に創業し、取締役デザイナーに就任した。SNSを駆使して学生時代にブランドを立ち上げた相羽は、まさにイマドキのデザイナーだ。オープンしたてのショップで、これまでとこれからを聞いた。

WWD:かわいいお店ですね。

相羽:ありがとうございます!内装工事は基本的に全部自分たちでやりました。千駄ヶ谷のショールームはピンクやイエローなどのキッチュなイメージだったのですが、このお店は黒や緑を使って少しトーンを落としたり、アートを置いたりして、少し大人っぽくしました。商品も、以前はなるべく多くのアイテムを並べていたのですが、今は商品一つ一つがきれいに見えるように絞っています。オープン日はラフォーレ原宿のグランバザールの開始日で、かつ台風が直撃したのですが、たくさんのお客さんに来ていただけました。

WWD:バンタン在校時に「アール」をスタートした。きっかけは授業だったとか?

相羽:はい。1年生のときに、ブランド立ち上げの企画書を作るという授業があって、バンタンは実学重視だったので企画書を見た先生が「本当に立ち上げてみる?」と。もちろん「やります!」と即答しました。

WWD:16年4月にネットショップを立ち上げたら、用意していたアイテムはすぐに売り切れた。

相羽:高校生の時から読者モデル的なことをやっていて当時からツイッター(@___R__R__R)のフォロワー数が5万~6万人くらいいたことが大きいと思います。最初ブランドのロゴやTシャツなどのグラフィックは全部スマホのアプリで作りました。ロゴは「Phonto」、グラフィックは「メディバンペイント(MediBang Paint)」を使っていました。韓国で生産したTシャツやパンツ、キャップ、ソックスなどは5分で売り切れました。その年の8月には夏休みを利用してラフォーレ原宿でポップアップショップを行ったのですが、そのときも1週間で古着以外のオリジナル商品は完売してしまって。

WWD:17年4月に東京・千駄ヶ谷にショールーム兼ショップをオープンした。通販ショップだけにすれば利益がもっと出るのに、なぜお店を?

相羽:ブランドを始めたら、絶対お店をやりたいって思っていましたし、オープンできたら、時間が許す限りお店にいました。ラフォーレ原宿のポップアップショップの売り上げの400万円で、ショールームを開きました。決して便利でわかりやすい場所ではなかったのですが、インスタやツイッターで見て来てくれるお客さんが思った以上に多くて、とてもうれしかったです。中学生から同年代の子、少し年上の方まで結構幅広くて、夏休みの期間になると地方から来てくださる方も多くて。お買い物に来ていただいているというよりも私に会いに来てくれたり、お客さん同士で話したり。お店がオープンするお昼に来て、閉店までずっといるようなお客さんもいました。

WWD:月商は?

相羽:300万〜600万円の間です。実は新作が出れば売り上げは上がるのですが、なかなかデザインを上げられなくて。売り上げをならすために毎月200着ほど古着を入れていますが、本当はもっと新作を増やしたいです。その部分は今後の課題です。

WWD:インスタのアカウントやウェブサイトには、ほとんど“相羽瑠奈”という名前は出ていない。なぜ?

相羽:少し前から、ブランドのインスタ(@rrr_tokyo)に私は出ないようにしていますし、ブランドのアカウントのフォロワーからも私の個人アカウントは外しました。ブランドはあくまでブランド。私はあくまでデザイナーであって、個人のキャラクターは出したくないと思っていました。その代わりではないですが、ショップの内装をデザインしたり、今回のルックブックは自分で撮影したり、新しいことにも挑戦しています。

WWD:6月には会社を立ち上げた。

相羽:このお店の販売員やネットショップ担当、アルバイトや手伝ってくれる人も含めると5人のメンバーがいます。会社を立ち上げて一緒にブランドを運営する仲間ができて、スタッフの成長を一緒に考えることが楽しくて。去年までは考えすぎたり、働きすぎたりして疲れてしまったこともあったのですが、今は生活のリズムも安定してきました。

WWD:今後は?

相羽:いずれはカフェもやりたいです。料理が得意というわけではないのですが、高校生の時に作ったお弁当をSNSでシェアしたら、とても反応がよくて。それに、長く滞在してくださるお客さんがゆっくりできる場所がほしいなと思っています。理想はカフェとショップが融合した業態。インテリアも作ってみたいです。

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