イタリアの老舗テーブルウエア&陶磁器メーカーのリチャード ジノリ(RICHARD GINORI 1735以下、ジノリ)が、同ブランドの製品を生産しているフィレンツェ郊外のセスト・フィオレンティーノにある工場を買収した。買収額などの詳細は非公開だ。
買収した生産工場は、ジノリが2013年に倒産した際に清算人と銀行グループから賃借していた生産拠点だ。ジノリは17年12月には伊経済開発省、トスカーナ地方、セスト・フィオレンティーノ自治体、清算人、銀行の代表人などから買収の了解覚書を得ていた。ジノリは「買収によって完全に生産体制をわれわれの管理下に置くことができる。イタリアと世界で進行中の、ブランド再生と生産強化の第一歩だ」とコメントしている。
ジノリは13年4月にオークションでグッチ(GUCCI)に1300万ユーロ(約16億7700万円)で買収され、16年初めにグッチの親会社であるケリング(KERING)が管理権を取得した。
02年に「グッチ」のデザインチームに加わり、15年1月にクリエイティブ・ディレクターに就任したアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は、14年9月から「ジノリ」のクリエイティブ・ディレクターも務めている。「グッチ」は17年7月にブランド初のインテリアコレクション「グッチ デコール(GUCCI DECOR)」を発表しその陶磁器の多くはジノリが手掛けている。