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ブラジル版「エル」と「コスモポリタン」が休刊 親会社は従業員500人をリストラ

 ブラジル版「エル(ELLE)」と「コスモポリタン(COSMOPOLITAN)」は8月7日にインスタグラムで、現在販売している8月号を最後に休刊することを伝えた。ブラジルのフォトグラファー、編集者、メイクアップアーティストの間に衝撃と悲しみの声が広がっている。

 両誌の休刊は親会社エディトーラ アブリウ(EDITORA ABRIL)の大規模な組織再編成の一環で、それに伴い10誌が休刊、編集者170人を含む500人がリストラされたと地元メディアが報じている。

 エディトーラ アブリウの親会社、グルーポ アブリウ(GRUPO ABRIL)は「出版業界に衝撃を与えている技術革新が進む中、健全な経営を確保するという目標達成のため、ブランドポートフォリオを立て直す」とコメントしている。グルーポ アブリウの経営一家であるチヴィタ(Civita)一族は7月に、米事業再生会社、アルヴァリーズ&マーサル(ALVAREZ & MARSAL)のブラジル支社のマルコス・ハーランド(Marcos Haaland)=マネジング・ディレクターに同グループの運営を任せている。

 ブラジル版「エル」と「コスモポリタン」はそれぞれ1988年と73年にスタートした。「エル」はインスタグラムで「ウェブサイト、タブレット向けの電子版、ビデオコンテンツの制作、あらゆるSNSを使いこなしたブラジルで初めての雑誌で、このセグメントでリーダーとしての立場を確立してきた。個人の自由やフェミニズム、ジェンダー問題、ダイバーシティーなどの社会問題を扱う雑誌として先駆的だった」とコメントしている。同誌の最後の号となった8月号はサステイナブルなファッションに焦点を当て、アマゾンのジャングルで撮影を行った。

 15歳の時にブラジル版「エル」の表紙に起用されたモデル、ルチアナ・カーティス(Luciana Curtis)は「ブラジルの出版業界にとって大きな損失。『エル』はブラジルで私が1番働いた雑誌だった。ショックだ」と地元紙にコメントしている。

 また、ブラジルのデニムブランド「エラス(ELLUS)」のアドリアナ・ボゾン(Adriana Bozon)=クリエイティブ・ディレクターは自身のインスタグラムに自身が手掛けたデニムアイテムを使った「エル」の表紙を載せ、「この国の文化とファッション業界にとって大きな損失。『エル』は時代を先取りし、ファッション業界と読者に新たなカルチャーを紹介してきた」と地元紙に語った。

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