ソニー(SONY)は、2017年3月末に営業を終了した東京・銀座のソニービルをリニューアルし、9日13時に「銀座 ソニーパーク(GINZA SONY PARK)」として開園する。一日中自由に出入りできるスペースが多いだけに、銀座の新たな観光スポットや待ち合わせ場所となりそうだ。
同ビルが位置するのは、外堀通りと晴海通りが交差する数寄屋橋交差点で、敷地面積707平方メートルの地上部と地下4層で構成される。地下3層を貫く吹き抜けや、交差点、地下鉄コンコース、地下駐車場といった都市機能を内包するユニークな構造で、同社は“垂直立体公園”と呼んでいる。キーワードは、“変わり続ける公園”。 20年秋までの期間、公共の場としてオープンし、随所に設けたフリースペースで体験型イベントやライブなどを開催する予定だ。
地上フロアは“買える公園”をコンセプトに、プラントハンターの西畠清順・そら植物園代表が世界中から集めた特別な植物が植えられた「アヲ ギンザ トウキョウ」がオープン。植物が売れるごとに“公園”の表情が変わる。また、「TOKYO FM」のサテライトスタジオや「トラヤカフェ・あんスタジオ」のポップアップストアも入る。
地下1階はジュン(JUN)が藤原ヒロシをディレクターに迎え、コンビニエンスストアをコンセプトにした新ショップ「ザ・コンビニ(THE CONVENI)」や、ミシュラン星獲得店による飲茶スタンド「ミモザギンザ(MIMOSA GINZA)」が、地下3階には店内に製造所を備える「トラヤカフェ・あんスタジオ」が、地下4階にはクラフトビール専門店「スプリングバレーブルワリー(SPRING VALLEY BREWERY)」による新コンセプトデリ「“ビア トゥ ゴー”バイ スプリングバレーブルワリー(“BEER TO GO”by SPRING VALLEY BREWERY)」がそれぞれ入る。
銀座の一等地にも関わらず、地上に建物を造らない構造を選択した理由について、ソニー企業の永野大輔・社長チーフブランディングオフィサーは「“人のやらないことをやる”のがソニーの社是。あえて“建てない”を選択した。また、1966年にソニーの創業者のひとりである盛田昭夫がここ数寄屋橋の交差点に作ったわずか10坪のソニースクエアを“銀座の庭”と呼んでいた。そのコンセプトを継承している」と説明する。また各フロアとも、ショップよりもフリースペースの方が圧倒的に広いぜいたくな使い方になっているが、その理由については「公園だから」と説明をする。「ここはソニーのショールームではなくあくまで公園。単に通り抜けるだけでもよいと思っている。銀座の街には“座れる”場所が少ない。大型店が並ぶ銀座に公園があることで新たなリズムが生まれれば」と言う。なお、同パークは2020年秋までで、以降は新ソニービルを建設し2022年にオープンする。
体験型イベントの第一号は、8月9日から9月24日まで開設するローラースケート場。地下2階に最大25人が滑走できるローラースケート場が出現する。スケート靴をレンタルして、「ウォークマン」初号機で音楽を聴きながらローラースケートを楽しめるというもの。4K大型ビジョンの映像やハイパワーオーディオシステムから大音響で流れる音楽など「ソニー」ならではのエンターテイメントが場を盛り上げる。料金は無料。