有働幸司が代表を務めるファクトタムは、2019年春夏シーズンに「ユウミアリア(YUUMIARIA)」の鈴木ゆうみデザイナーが参加する「ファクトタム(FACTOTUM)」のウィメンズラインと、ファクトタムで店舗スタッフやEC業務などを7年間務めた寺尾和久による新ブランド「イチエフ(1/F)」を立ち上げる。
ウィメンズラインは、11年に立ち上げた「ファクトタム ファム(FACTOTUM FEMME)」を刷新し、「ファクトタム」らしい質実剛健なたたずまいに鈴木デザイナーならではの凛とした女性らしさが加わった。マスキュリンなトレンチコートやジャケットの他、ワンピースやスカートもそろう。鈴木デザイナーの起用について有働代表は「以前から知り合いで、ビンテージ古着やアメリカが好きなど自分と背景のカルチャーが似ている。メンズと共通したテーマを伝えてオリジナルの生地を渡し、あとは全て任せられる安心感があった」と話した。
「イチエフ」は現在29歳の寺尾デザイナーが手掛ける、等身大の感覚が生かされたストリートウエアだ。夜のクラブでDJを行うなど、自身のナイトライフから着想したネオンカラーの他、機能性やリラックスしたシルエットを特徴とする。
ブランド名は心地よい音楽のメカニズムを指す“1/fゆらぎ”から名付けている。シーズンテーマは設けていないが、デビューコレクションの20型はポケットに焦点を当て、さまざまな形状のポケットを活用して夜の街に繰り出すスタイルをイメージしている。寺尾デザイナーは「新卒で入社し、いつか自分のブランドを持ちたいと思っていて、有働や先輩からも後押ししてもらった。ブランド名は音楽のメカニズムから名付けたが、『ファクトタム』の一部という意味の『イチエフ』でもある。今後はもっと自分らしく、ストリート色を強めていきたい。自分がオーガナイズするクラブイベントでポップアップショップを開くなど、音楽とファッションを強く結びつけていきたい」と語る。ターゲットは「ファクトタム」よりも若い20〜30代の男性で、価格帯もウエアが6000~4万円と若い客層を意識している。有働・代表は「新たに立ち上げるウィメンズと『イチエフ』で、会社としてより幅広い客層に訴求していける体制になった」と期待を寄せる。