ゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」はメディア向けの展示会で、商品企画の大坪岳人マネジャーによる説明会を初めて行った。2日間で4回行い、2018-19年秋冬のシーズンテーマである“サイエンス・オブ・ウォームス(SCIENCE OF WARMTH)――あたたかさを科学する”について解説した。ゴールドウインは、同ブランドがタウンウエアとして浸透し過ぎていることにかねてから危機感を持っていたため、まずはメディアに正しい認識を広めるための説明会開催となった。
大坪マネジャーは、冬服が“体を冷やさないこと”をコンセプトに製作されていることや、全てのダウンが羽毛専業メーカーの河田フェザー(愛知県、河田敏勝・社長)で精製されていること、18-19年秋冬からシグネチャーアイテムの“ヌプシジャケット”にリサイクルダウンがほぼ100%充塡されることなどを30分間にわたり説明した。
先日発表されたゴールドウインの18年4〜6月期連結業績は、売上高が前年同期比19.7%増の148億円と大幅な伸びをみせた。これは、タウンウエアとしてウィメンズ市場でも受け入られ始めた「ザ・ノース・フェイス」が大きくけん引したものだ。しかし宮﨑浩プレスチームリーダーは、「われわれはファッションブランドではない。ブームとなることも危惧している。餅は餅屋らしく、機能をしっかり伝えるために説明会を企画した。今後はゲストスピーカーを交え、より分かりやすく届けることも考えている」と話した。
展示会では、編集者やスタイリストなどファッション関係者による“個人買い”が行われることが常だが、「ザ・ノース・フェイス」は17年から展示会業務支援アプリのターミナルオーダー(TERMINAL ORDER)を導入し、来場者が自分のスマホで注文するようにした。これにより「プレススタッフは商品の説明に十分な時間を充てる」という。
展示会は8月10日まで行われ、11月21~25日には原宿のバンクギャラリー(BANK GALLERY)で“サイエンス・オブ・ウォームス”の世界観を見せるエキシビジョンも企画している。