雨が続くミラノからこんにちは。「プラダ(PRADA)」「フェンディ(FENDI)」などビッグメゾンのスマッシュヒットが続いて実り多いシーズンです。
これらのブランドでつくづく思うのではスタイリングの秀逸さです。コレクションがデザイナーの発想ありきなのは当然ですが、デザイナー自身によるスタイリングや右腕でであるスタイリストの仕事もとても重要です。最近は、意表を突くアイテムの組み合わせや異素材ミックスが当たり前だから、そのさじ加減にセンスが求められます。同じアイテム使いでも“今っぽさ”に着地するか否かは、スタイリング次第。スタイリストは責任重大です。
「プラダ」のルックは360°見応えがあり、全ルック丁寧に見ていると展示会場に数時間滞在することになります(笑)。なぜなら、さまざまな時代、国、パーソナリティーの女性像がミックスされているから。展示会場はさながら服飾博物館です。
(左)「プラダ」ショー会場が翌日には展示会場となりショーの雰囲気の中で服を近くで見ることができます (右)イラストはクリストフ・シュマンがフランス革命暦をモチーフに描いたもの
コレクション制作は、もちろんミウッチャ・プラダのクリエイションとジャッジありきですが、ミウッチャと対等に仕事をする周囲の人には、歴史や文化に関する深い知識と理解が必要でしょう。スタイリストは今回もオリヴィエ・リッゾ。今シーズンのキーアイテムはコルセットで、カオスな世界をコルセットがギュッとまとめあげています。女性開放を象徴するコルセットをこんな風に使うとは、スタイリングは感性だけでなく、知性も必要だと教えてくれます。
「プラダ」のレポートはこちらから。TEXT BY RIE KAMOI
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次ページ:「テーマは日本?」カール・ラガーフェルドの答えは… ▶
「フェンディ」のスタイリングにもうなりました。ショーに感動してバックステージでカール・ラガーフェルドに「日本ですよね」と直撃したところ「もちろん」と一言。今回のテーマのひとつが“日本”なのですが、デザインとスタイリングの端々に日本文化に対する深い理解を見ます。
こちらのルック、しみじみとご覧ください。
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着物の要素はもちろんですが、そこはかとなく漂う“カワイイ”要素に現代の日本を見ます。プリーツスカートからは制服文化を、サイハイブーツからは忍者を連想するのは大げさでしょうか?カール・ラガーフェルドとシルヴィア・フェンディが擁するデザインチームには、ジャパン・カルチャーに深く通じているスタッフが一人ではなく数人いると思われます。そして彼らはきっと日本だけではなく、いろいろな国の文化に理解があるのだと思います。
「フェンディ」のレポートはこちらから。TEXT BY MAMI OSUGI
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「ヌメロ ヴェントゥーノ」は今回からスタイリストが変わり、結果、印象がぐっと若返りました。こちらがバックステージで教えてもらったデラクア自身のフェイバリットルック。
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コントラストやミックスはアレッサンドロ・デラクアの変わらない持ち味のひとつですが、そのミックス具合が今回は一層複雑で、結果若々しい印象を与えるのです。デラクアは元々、美しいスキンカラーのサテンのドレスなど官能的な女性像を描くのが得意なデザイナーです。どんなにミックスしても、底辺にある官能的な美しさがにじみ出るから漂うからスタイリストも大胆な仕事ができるのでしょう。
「ヌメロ ヴェントゥーノ」のレポートはこちらから。TEXT BY MAMI OSUGI
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