ラグジュアリーEC大手のファーフェッチ(FARFETCH)が、NY証券取引所に上場申請したことがわかった。同社はこの2年上場がウワサされてきた。売り出し価格や公募株数などの詳細は未定だが、時価総額は60億ドル(約6600億円)を超える大型上場になりそうだ。ロンドンを拠点にするファーフェッチのジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)創業者兼最高経営責任者(CEO)は申請声明の中で、「(上場で)ファーフェッチは成長の機会をさらに拡大できる。ラグジュアリー市場は過去20年間年率6%で成長してきたし、今後も同様のペースで成長するだろう。10年後には市場規模は4500億ドル(約49兆5000億円)に達するとみている。その中で25%はオンラインになり、さらに75%のリアル店舗での売り上げもデジタル技術で革新されるだろう。実際のところ、オンラインとオフラインの境界は曖昧になる。われわれはそれを ”仮想小売り”と呼んでいる」と語っている。ラグジュアリー市場とネット通販が世界的に拡大する中で、ファッション関連では久々の大型上場になる。
主幹事証券はゴールドマンサックス(GOLDMAN SACHS)とJPモルガン(J.P.MORGAN SECURITIES)、他の幹事会社はクレディスイス(CREDIT SUISSE SECURITIES)とドイツ証券(DEUTSCHE BANK SECURITIES)、BNPパリバ(BNP PARIBAS SECURITIES)になる。ファーフェッチは、昨年6月に中国ECで第2位の巨人JDドットコム(JD.com、京東集団)から3億9700万ドル(約434億円)の資金を調達、今年2月には少額ながらシャネルからも出資を受け、共同でデジタル技術を使った新しいサービス開発をスタートしていた。