エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)の2018年6月期決算は売上高が前期比15.7%増の136億8300万ドル(約1兆5051億円)、営業利益が同21.2%増の20億5200万ドル(約2257億円)、純利益が同11.1%減の11億1700万ドル(約1228億円)と増収減益だった。スキンケアが好調で、中でも「ドゥ・ラ・メール(DE LA MER)」が売り上げ10億ドル(約1100億円)を突破した。「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」「クリニーク(CLINIQUE)」「M・A・C」に次ぎ、同社で4番目に10億ドルに達したブランドとなった。純利益減は組織改編などにかかったコストが影響した。
地域別で見ると、北中南米の売り上げが同4.0%増の50億1500万ドル(約5516億円)、ヨーロッパ・中東・アフリカが同21.1%増の56億3400万ドル(約6197億円)、アジアパシフィックが同29.0%増の30億4200万ドル(約3346億円)と全地域で伸びた。北米ではメイクアップの代わりにスキンケアに投資する人が増え、逆に中国ではメイクアップの顧客が増えているという。現在中国だけの売り上げは全体の売り上げの約9%を占めるまでになった。中国では、北米で苦戦する「M・A・C」を戦略的に売り出している最中だ。
カテゴリー別ではスキンケアの売り上げが同23.5%増の55億9500万ドル(約6154億円)、メイクアップが同11.4%増の56億3300万ドル(約6196億円)、フレグランスが同11.5%増の18億2600万ドル(約2008億円)、ヘアケアが同5.7%増の5億7000万ドル(約627億円)だった。スキンケアは「ドゥ・ラ・メール」の他、「クリニーク」や「エスティ ローダー」も伸びた。メイクアップは「エスティ ローダー」「トム フォード(TOM FORD)」「トゥー フェイスド(TOO FACED)」「ベッカ(BECCA)」「ドゥ・ラ・メール」が人気だった。フレグランスは「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「トム フォード」「ルラボ(LE LABO)」「キリアン(KILIAN)」が、ヘアケアは「アヴェダ(AVEDA)」が売り上げ増をけん引した。
ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)社長兼最高経営責任者は「18年度は全ての地域とカテゴリーで売り上げを伸ばし、素晴らしい年になった。業績の良いフランチャイズや急速に伸びているチャネル、デジタルとSNSに投資することにより、過去10年の中でもかなり良い業績を達成した」と振り返った。なお、19年6月期の売上高は同5.0〜6.0%増を見込む。「19年度はより多様な消費者と、成長し続ける中間層にアプローチする。それにより業界を率いるリーディングカンパニーであり続け、1株あたりの利益の伸び率は2ケタ増を目指す」と意気込みを語った。