ミラノは成熟したブランドが多くて、若い才能と出会うことは少なそう。そう思われがちなのですが、そんなことはありません。ここ数年、業界全体で次世代の担い手を育てようとアレコレと打ってきた施策が形になっています。
「マルコ デ ヴィンチェンツォ(MARCO DE VINCENZO)」のように、LVMHがその株式を取得するなど、自身のブランドが評価されているブランドもあります。
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アワード受賞をステップに成長している「コート(CO|TE)」もよいコレクションを見せてくれました。
「コート」はカジュアルアイテムにクチュールワークで装飾を施すミックススタイル
一方で、“表に名前は出てないけれど、アトリエでは若いおしゃれなスタッフが活躍しているに違いない”と、ショーを見ながら想像をするブランドも多いです。「マックスマーラ(MAXMARA)」がその代表格。両ブランドとも公式にはデザインチームによる発表となっていますが、最近の「マックスマーラ」はデザインの端々にフレッシュな感覚を見ます。
今季の「マックスマーラ」のインスピレーションはバウハウス。ロシア・アバンギャルドの女性アーティストたちのパワーを服に取り入れました。そのデザインから、アートに詳しい、見た目もおしゃれな女子がデザインチームで働いていそう、と思うのは私だけでしょうか?ご存知の通り、「マックスマーラ」は世界中に店舗を展開するグローバルブランドです。“内緒だけど実は今も「マックスマーラ」で仕事をしている”と話す若いイタリア人デザイナーと会うたびに、巨大なアパレルメーカーである同ブランドは、イタリア・ファッションのゆりかごのような存在なんだなと思います。
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次ページ:イタリアのファッション業界人たちの根底にあるのは「イタリア愛」
そんな若手支援の波に乗り、日本からは今季「ウジョー(UJOH)」と「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」がミラノデビューを果たしました。「ウジョー」はミラノの帝王、ジョルジオ・アルマーニから会場提供の支援を受けてショーを開催。ショーの後に弊紙記者がファッション・ジャーナリストのスージー・メンケスに感想を求めたところ「彼には明るい未来がある」と一言。これは心強いです。
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「アツシ ナカシマ」は、第2回「DHLエクスポーテッド」を受賞し、支援を受けてドゥオーモ横の歴史ある建物でショーを発表しました。ヨーロッパを意識したことでか“女っぷり”が上がり、東京での発表時より数段パワーアップ。3Dプリンターを使ったポップなアクセサリー使いや、東レの合繊使いなど素材にも日本らしさが出ていてよかったです。
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イタリアのファッション業界人たちの根底にあるのは自分たちの国や街やファッションをなんとか盛り上げたいという“イタリア愛”なんだと、折に触れて思います。最後に、ニューヨークからミラノへ発表の場所を移した「ディーゼル ブラック ゴールド(DIESEL BLACK GOLD)」について。ショー後に、レンツォ・ロッソOTB社長がその理由について何と言ったかについて、鴨井記者のレポートでお読みください。彼はアルマーニ氏とはまた違った意味で、イタリア・ファッションのリーダーであると思います。
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「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のミント。 一粒が大きくて美味しいです
最後におまけ情報です。「サンタ・マリア・ノヴェッラ(SANTA MARIA NOVELLA)」にミントも売っているのをご存知ですか?缶がかわいくてお土産にもぴったりなのでオススメです。