今からおよそ10年前、僕は「WWDビューティ」の創刊メンバーとして、特にビジネス分野を中心にビューティ企業を取材していました。振り返ればあの時から、ビューティ業界は毎年「今年こそメンズコスメ元年!」と宣言し、もちろん前年に比べれば売れつつも、だからと言って大爆発はしてこなかったメンズビューティを見つめている気がします。
でも今年はいよいよ、「メンズコスメ元年」なのかもしれません。いや、そうに違いない!振り返ればこの春、田園都市線に乗車し何気なく目にした「RMK」のCMに男性が出演していた時は驚きでした。画面にしばしクギづけになった、危うく降りるはずの駅で乗り過ごしそうになったくらいです(笑)。そして今週は、あの「シャネル(CHANEL)」が94年の化粧品の歴史上初めてメンズのコスメラインをローンチすることを発表(その記事は、コチラから )。「WWD JAPAN.com」はコスメ大好きメンズの初川滉太くんをインフルエンサーに育成しようとしていることも手伝い(その様子は、コチラから )、最近、メンズコスメ、中でもベースやカラーメイクなどスキンケア以外のメンズビューティについて考える機会が増えてきました。
メンズの総合コスメ「ファイブイズム バイ スリー」
ということで、今回は、大人気の「THREE」が9月にローンチするメンズの総合コスメ「ファイブイズム バイ スリー(FIVEISM × THREE) 」の発表会に行ってまいりました!最近は「ウカ(UKA)」に浮気しちゃうケースも多いのですが(笑)、「THREE」はシャンプー&コンディショナーで普段お世話になっているブランド。ファッション系PRの女子とはしばし、「『THREE』のラメの可愛さ」について盛り上がってしまう「ラブ!」なブランドです。そこからついに、カラーコスメまで含むメンズが登場する世の中になったとは……。ワクワクと、勝手にドキドキしながら、発表会の会場に向かいました。
と、前置きがメチャクチャ長くなりましたが、今回は、「FIVEISM × THREE」体験レポートです。
READ MORE 1 / 2 「キーワードは、センスアップとステルスメイク」
メンズモデルにタッチアップするリエ・オモト=グローバル・クリエイティブ・ディレクター PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
会場に入り、「THREE」をここまでに導いた石橋寧アクロ会長や、リエ・オモト(Rie Omoto)=グローバル・クリエイティブ・ディレクター、PRスタッフの話を聞くと、「ファイブイズム バイ スリー」を語るキーワードとして、「インディヴィジュアリティ」と「センスアップ」そして「ステルス」という言葉が何度も登場します。「個性」を意味する「インディヴィジュアルティ」は理解できるとして、「センスアップ」はビューティよりはファッション業界の言葉、「ステルス(忍び、という意味の英語です)」に至っては「ステルス・マーケティング」というネガティブに捉えられがちな言葉以外、なかなか聞かない英単語です。「センスアップ」と「ステルス」とは一体、どういう意味なんでしょう?
石橋会長たちによると、「センスアップ」とは、肌をきれいに整えることでワンランク上の生き方を見出すこと、そして「ステルス」とは「でも、控えめであること」。「ファイブイズム バイ スリー」は、他人に気づかれるのか、気づかれないのか?ギリギリの“ステルスメイク”で、ちょっと高揚し、自信を持って生きることを応援する総合ブランドのようです。おっしゃりたいことはわかりますが、「納得!」とまではいきません。「目立たないなら、メイクしなくていいんじゃない?」「未体験かつ他人の好奇の視線に晒されそうなメイク姿で、自信を持って生活できるだろうか?」――。頭の中には次々「?」が浮かびます。
READ MORE 2 / 2 「メンズメイクに初挑戦。ビフォーとアフターも晒します」
カラーメイクのタッチアップはほぼ初体験。キンチョーしております PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
ということで早速、夏の暑さで汗と脂が浮きまくった顔をアーティストの方に委ね、スキンケア以上のメンズコスメに初挑戦です。事前に「(希望の仕上がりは、メーク控えめの)あっさりですか?(それとも、フルメークの)こってりですか?」と聞かれた僕は、迷わず「こってり」をチョイス(ここ、「ラーメン屋か!!」と突っ込むところですw)。色付きのメイクベース、ファンデーション、流行りのコントゥアリング(顔の立体感を強調するメイク)、ハイライトで土台を作り、リップを塗り、アイシャドウを重ね、アイブロウで整えるまでのフルコースに挑みます。
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陰影をつけるためのリップは、まさかの黒!でも、確かに塗ると、男前度がアップします PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
陰影をつけるためのリップは、まさかの黒!でも、確かに塗ると、男前度がアップします PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
アイシャドウもほんのりプラス PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
眉毛の薄い自分にとって、一番大きなイメチェンになったのがアイブロウ PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
ネイルは、あえて不自然に塗るのがポイントだそう。指輪は「ボッテガ・ヴェネタ」と「トム ウッド」で PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
ネイルは、あえて不自然に塗るのがポイントだそう。指輪は「ボッテガ・ヴェネタ」と「トム ウッド」で PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
いやぁ、今やコントゥアリングの神のような存在のキム・カーダシアン(Kim Kardashian)とマドンナ(Madonna)の“頂上ビューティ対談(その模様は、コチラから )を取材してから、およそ半年。今度はオトコの自分がコントゥアリングに挑戦するんだから、人生って何があるかわかりません(笑)。気づくとアーティストの向こうでは、「WWDビューティ」のマネージング・エディターがクスクス笑いながら僕を撮影しています。隣でタッチアップを受けているオジさんは、どう振舞ったら良いのかわからず、ケープを被ったまま困惑しているようです(苦笑)。やっぱり、カウンターに座って接客を受けるのは、ちょっと恥ずかしいかも!でも、タッチアップはどんどん進み、ネイルも含め15分でフルメイクが完成です!
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タッチアップ終了後の“41歳男子”ムラカミ。あくまで当社比110%の仕上がりとなっております PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
ビフォーのムラカミ。ちなみに帽子は「カラー」と「ニュー エラ」のコラボで、Tシャツと肩にかけたベルトは「ホワイトマウンテニアリング」。万が一フェミニンに仕上がってしまった時のために、自分のワードローブの中では“オトコ臭い”最新アイテムをチョイスしました PHOTO BY TSUKASA NAKAGAWA
で、仕上がりが、これ!ぜひ横にスワイプして、ビフォーとアフターの違いをお楽しみください(笑)!いかがでしょうか、これが“41歳男子”のフルメイクです。え、「あんまり変わってない」って?そうかな〜。自分では、陰影がついて掘りが深くなったので、ちょっぴり“シュッと”見えて満足なんだけどなぁ〜。でも、この仕上がりこそが「ファイブイズム バイ スリー」が目指す「ステルスメイク」。まるで忍者のように、他人には気づかれない程度の控えめメイクなのです。
「だったら、メイクしないのと同じじゃない?」って思う人もいるでしょう。でも、その答えは「NO」。明らかに、自分の満足度や高揚感はタッチアップ前と異なっています。なんなら「見て見て〜。メイクしたんだ」と言いたいくらいです。事実、当日は会社に帰って何人かに話しかけてしまいました(笑)。
実際タッチアップを受けて思いましたが、「ファイブイズム バイ スリー」は、スキンケアだけでは叶えられない“キチンとした肌”を手に入れ、自分のスタイル、そして気持ちをアップするブランドです。これは、メークブランドじゃありません。石橋会長たちの言う通り、「センスアップ」ブランドです。スキンケア以上に肌を整え、周りの人には“なんとなく”、そして自分は“とってもハッキリ”「センスアップした!」と実感し、満足できる。そんなブランドなんだな、と思いました。
で翌日、今度は自分でファンデーション&リップを使ってみました。スティックタイプのファンデーションは、頬に5回、Tゾーンに1回塗るだけで、あとは素手で塗り広げるだけ。カンタンです。これならスーパーテクニカルと勝手に思い込んでいた(だってキム・カーダシアンの顔って、“プロ感”満載ですからw)コントゥアリングだって自分でできそうです。個人的には、11月発売というもっと鮮やかなカラーコスメも楽しみ。9月の発売日には、ハイライトを買いに行こうと思います(笑)。