7月にパリで開催されたオートクチュール・ウイークでは、多くのジュエラーから新作ハイジュエリーが発表されました。各ジュエラーがサヴォワールフェール(代々受け継がれる高度な技術やノウハウ)を披露する場であり、世界中から富裕層の顧客やコレクターがパリに集まります。私もパリ入りし、めくるめくハイジュエリーの世界を取材してきました。「WWDジャパン」8月20日号では、各ハイジュエラーの逸品を紹介していますが、ここでは、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「ブシュロン(BOUCHERON)」「ショーメ(CHAUMET)」「ピアジェ(PIAGET)」の新作からピックアップしたハイジュエリーを紹介します。
CARTIER
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「カルティエ」は、新作コレクション“コロラトゥーラ ドゥ カルティエ”を発表しました。“コロラトゥーラ”とは、オペラのソプラノ歌手が多彩な旋律を歌い分ける高度な技巧のことで、その豊かさを世界各地の文化に見られる色彩になぞらえたコレクションです。エメラルドやモルガナイト、スピネルなどの色石の美しさを引き立てる軽やかなデザインが特徴で、オニキスやダイヤモンドでコントラストを利かせ、トロンプルイユ(だまし絵)のように立体感を出したものもあります。
VAN CLEEF & ARPELS
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4つのグリム童話をテーマにした「ヴァン クリーフ&アーペル」。「12人の踊る王女」や「ブレーメンの音楽隊」などの世界をイマジネーション豊かにジュエリーに落とし込みました。デザインはクラシックなものからエキゾチックなものまでさまざまで、同ブランドらしい夢のあるメルヘンなジュエリーも。複雑なデザインをバリエーション豊かな宝石使いと緻密な職人技で見事なハイジュエリーに仕上げています。
BOUCHERON
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創業160周年の「ブシュロン」は“ナチュール トリオンファント”コレクションを発表。「WWDジャパン」8月20日号で紹介した本物の花びらを使用したジュエリーの他、シグニチャーの1つであるアイビーをモチーフにしたネックレスなど自然の美しさを繊細かつ忠実に表現しています。アール・デコをテーマにしたコレクションでは、オニキスやマラカイト、ラピスラズリなどを用いてコントラストを利かせた、ダイナミックなハイジュエリーをそろえました。
CHAUMET
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ハイジュエリー・コレクション“レ モンド ドゥ ショーメ”の第3章で、ロシア、日本に続き、アフリカをテーマにした“トレゾール ダフリック”を発表した「ショーメ」。“アフリカの宝物”を意味する名のコレクションはアフリカへのエキゾチックな旅をイメージソースにして洗練されたジュエリーに昇華しています。素材やカラーのコントラストが大胆なオリジナリティーあふれるハイジュエリーは存在感たっぷりです。
PIAGET
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「ピアジェ」は“サンライト エスケープ”という太陽の光や輝き、オーロラ、夜空などをイメージソースにした新作ハイジュエリーを発表しました。宝石のカッティングにこだわったグラフィカルなデザインが特徴で、同ブランド特有の技法であるパレス装飾(不規則なしま模様を彫って生糸のように見せる)や、フェザーアーティストと協業してフェザーマルケトリ技法(羽根をはめ込む)を使用するなど、凝ったクラフツマンシップで仕上げています。