ギャップ(GAP)の2018年5~7月期決算は、売上高が前年同期比7.5%増の40億ドル(約4440億円)、営業利益は同13.3%減の3億9800万ドル(約441億7800万円)、純利益が同9.5%増の2億9700万ドル(約329億6700万円)だった。
5~7月期の既存店売上高は、同社全体では同2%増、ブランド別では「オールドネイビー(OLD NAVY)」が同5%増、「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」が同2%増、「ギャップ」が同5%減だった。「オールドネイビー」は引き続き好調で、「バナナ・リパブリック」も3四半期連続で既存店売上高が増加しているが、「ギャップ」はここ数年急速に市場シェアを失っており、閉鎖する店舗数も増えている。同社は「ギャップ」のブランド価値について数千の消費者を対象としたリサーチを行った結果、消費者は同ブランドとの感情的な結びつきは強いが、機能性を低く見ていることが明らかになり、この弱点を強化していくという。
アート・ペック(Art Peck)社長兼最高経営責任者(CEO)は売り上げが伸びた理由のひとつとして、「オールドネイビー」が数週間前に開始したオムニチャネルサービスを挙げた。同ブランドはオンライン購入した商品の店舗受け取りサービスを始めたところ、このサービスを利用した顧客のうち20%が店舗でさらに商品を購入していることがわかった。これは長期的には大きな購買につながるチャンスになるという。また同社全体でオンラインビジネスが急速に伸びており、前期は30億ドル(約3330億円)の売上高だったが、19年1月期は35億ドル(約3885億円)に達する見込みがあるとし、同社が培った膨大なデータ資産をビジネス戦略に活かして展開すれば、その効果は計り知れないという。
同社長兼CEOは「『オールドネイビー』のけん引により、7四半期連続で既存店売上高が増加した。われわれのバランスの取れた成長戦略が功を奏し、収益も上がっている。オンライン、オフラインに広がる多数のタッチポイントを強みに、データ資産の活用を急速に進めていく」と語った。