ティファニー(TIFFANY & CO.)の2018年2~7月期決算は、売上高が前年同期比13.4%増の21億ドル(約2331億円)、営業利益は同18.2%増の3億9500万ドル(約438億4500万円)、純利益が同38.0%増の2億8700万ドル(約318億5700万円)の増収増益だった。既存店ベースの売上高は同9%増だった。これはアナリストの予想を上回る結果で、同社は19年1月期の業績予想を上方修正した。
地域別の売上高は、北中南米が同8%増、アジアパシフィック地域は同28%増、日本は同14%増、ヨーロッパは同9%増だった。他の地域では売上高が同21%減だった。
昨年10月から同社を率いるアレッサンドロ・ボリオーロ(Alessandro Bogliolo)最高経営責任者(CEO)は、進化したブランドメッセージを広めることや、シームレスなオムニチャネルによるショッピング体験の提供などを戦略として掲げてきた。同CEOは「18年上期は増収増益となり、広範囲で好業績となってうれしく思っている。しかしそれ以上に特筆すべきことは、下期の戦略投資額を増やし、長期的かつ継続可能な成長を目指せることだ」とコメントした。同CEOによると、下期は製品のパーソナライゼーション、ハイジュエリー、クリスマスシーズンのキャンペーンに力を入れるという。また北米では “ティファニー トゥルー(TIFFANY TRUE)”の発表が控えており、新作“ティファニー ペーパーフラワー(TIFFANY PAPER FLOWER)”コレクションは全世界で発売予定だ。
同CEOは「短期、長期の戦略的な投資効果をよく考え、掛け合わせていくことが、このかけがえのないブランドを真に進化させていくために欠かせない」と語った。ティファニーは21年末くらいまでにニューヨーク5番街の本店の全面改装を予定している。本店の売り場を広げ、VIP顧客用のイベントスペースを設ける予定だという。さらに「本店建物の歴史的価値は非常に大きい。それはニューヨークの一部であり、なによりブランドのDNAでもある。威厳とエレガンス溢れる正面玄関、そして高い天井と広々とした店内の景観は大切にすべきであり、本店が建設された当時の時代性を考慮しながら改装を行う」と語る。本店1階は改装中も営業を続けると同時に、同店隣のビル(東57丁目6番地)にも店舗を構える。
また、ポップアップストアは「ティファニー」の新たな一面を提供する機会として非常にうまくいっており、ここで採用されたデジタル機能やテクノロジーは世界各国の通常店舗にも展開していくという。
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